NASAは、宇宙飛行士2人を乗せたスペースXのクルー・ドラゴンを、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて5月27日に打ち上げる計画を発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックのさなかの打ち上げミッションに対し、関係者の健康への影響を懸念する声がある。
人工衛星の軌道上で1月、ロシアの衛星が、米国のスパイ衛星に接近し、ぴったりと後をついてくるという出来事があった。ロシアは、米国のスパイ衛星に関する情報を収集するために、自国の衛星にこのような操作をしているものと見られ、こうした出来事が今後、繰り返し発生することは、ほぼ確実だ。
宇宙開発と月探査は現在でも大きな名誉と栄光をもたらす事業であると考える人もいるかもしれない。しかし、今、起こりつつある「ムーンラッシュ」に参加している国や企業の多くは、月に埋蔵されている貴重な資源に、誰よりも先にたどり着くことを目的としている。
人類初の人工衛星である「スプートニク」の軌道投入から63年たった現在、従来の人工衛星は、数百以上もの衛星から成るネットワークである「メガコンステレーション」に取って代わられようとしている。今後人類は月や火星など、どこへ行くにも人工衛星コンステレーションを携えるようになるだろう。
NASAの火星探査機「インサイト(InSight)」による初の成果が、複数の論文として発表された。火星の地震の観測によって得られた複雑な内部や地質に関する洞察を示すものが主だが、水を巡る火星の歴史に関する新たな疑問を提起するものもある。
宇宙開発には現在、米国やロシア、中国をはじめさまざまな国が参加しているが、こうした国々はかつて米国とソ連が月着陸を競ったように互いに競争関係にあるのだろうか?
NASAのニュー・ホライズンズ探査機が、冥王星の彼方のカイパーベルト天体「アロコス(旧称:ウルティマ・トゥーレ)」をフライバイ(接近通過)した際に収集したデータの分析結果の論文が3本発表された。これらの論文は、アロコス自体の誕生だけでなく、太陽系の他の微惑星の起源についても解き明かすものとなっている。
太陽の黒点が11年周期で増減するサイクルによって、地球上または地球周回軌道上のテクノロジーはどのような影響を受けるのだろうか?
MITテクノロジーレビューが入手した最新の衛星写真を見ると、人口1100万人の武漢市での都市活動がほとんど停止していることがわかる。
ハワイ・マウイ島のダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡(DKIST)が撮影した史上最高解像度の太陽の画像が公開された。
ある惑星が「ハビタブルゾーン」に位置しているかどうかは、その惑星に生命が存在可能であるかどうかを考える際の拠り所の1つとなっている。現時点ではハビタビリティ(居住可能性)についての専門家の統一見解はないが、新たなツールが手がかりを示す可能性がある。
中国当局は、2019年1月に人類史上初めて月の裏側に着陸した探査機「嫦娥4号」および探査車「玉兔2号」が撮影した写真を新たに一般公開した。今回のミッションで撮影された月の画像の中で最も解像度の高い画像であり、玉兔2号が撮影したパノラマ写真も含まれている。
地球を離れて数カ月や数年に及ぶミッションに挑む宇宙船乗組員の精神的健康を維持するには、感情を認識し、共感をもって反応する人工知能(AI)が役に立つかもしれない。米国航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所はオーストラリア企業と提携して、宇宙船乗組員を情緒的にサポートできるAIを開発しようとしている。
NASA の科学者らは、2021年に打上予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って、太陽系外惑星の酸素を検知・測定する新たな方法を提案した。この方法により、その惑星が生命体に適しているかどうかや、生命体の活動により大気が形成された可能性について知見を得られる可能性がある。
インターネット接続サービスを世界規模で提供するために数万基の人工衛星で構成するメガコンステレーションを打ち上げようとする動きが盛んになっている。しかし、高軌道衛星を使用すれば、はるかに少ない数でグローバルな範囲をカバーするサービスを提供できるとする研究が発表された。
宇宙船が1g(重力加速度)で等加速度運動をする場合、宇宙船の中にいる人間は、地球に居るのと同じような生活ができるのだろうか?
物理法則に基いて完璧なセキュリティを確保できる量子インターネットの実現が近づきつつある。世界規模で量子インターネットを構築するには全世界に「量子もつれ」を配信する必要があるが、そのための最善の方法は、多数の周回衛星で構成される衛星コンステレーションを用いることだとする研究が発表された。
1970年代に打ち上げられた探査機「パイオニア」と「ボイジャー」の合計4機はすでに太陽系を離脱し、恒星間空間に向かって長い旅路についている。これらの探査機が今後いつ、太陽以外の恒星に接近遭遇するのか、天の川銀河の最新3Dマップを用いて予測した研究結果が発表された。
大量の人工衛星の打ち上げを進めているスペースX(SpaceX)に対して、天文学者たちから苦情が寄せられている。スペースXは光の反射を抑えるために新しいコーティングを採用した衛星で対応したい考えだ。
「冬の大三角形」の一角を占める一等星のベテルギウスが、昨年10月から約2.5倍も暗くなっていることが観測された。超新星爆発(スーパーノバ)を起こす恒星は、その寿命の最後に温度が下がり、膨張することが分かっているため、ベテルギウスは間もなく超新星爆発を起こすのではないかと考えられている。
2020年は宇宙関係者にとって2019年に負けず劣らず忙しい年になりそうだ。MITテクノロジーレビューが2020年に注目する7つのミッション/プロジェクトを紹介しよう。
かつて想像もしなかったほど強力なガンマ線バーストが観測された。これらのガンマ線バーストはそれぞれ、45億光年および60億光年の彼方に発生源があると考えられ、何十億年も前に宇宙の彼方で何が起こっていたのか、より明らかにするのに役立つだろう。
中国の人類初の月裏側への宇宙船着陸から、日本の「はやぶさ2号」の小惑星リュウグウでの快挙まで、2019年には宇宙に関して数々の輝かしい成果があった。しかし一方で、大きな失敗もあった。この記事では、宇宙関連で2019年に起こった大失敗を5つ、紹介しよう。
「宇宙」はまだ多くの企業にとって遠い存在だと思うかもしれない。だが、2019年2月にサービスが始まった「Tellus」は、人工衛星から集めた膨大なデータを使い、地球上の既存のビジネスに新しい価値をもたらすプラットフォームだ。
世界的に人工衛星の打ち上げ需要が拡大する中、国産小型ロケット「イプシロン」はどう需要を取り込んでいくのか。IHIエアロスペースの湊部長がイプシロンの優位性と戦略を語った。