テネシー大学のフー准教授の起訴は、中国系米国人の経済スパイを摘発する目的で始まった米国の「チャイナ・イニシアチブ」に勝利をもたらすはずだった。しかし、裁判は評決不能となり、訴訟の継続すら危うい事態に陥った。FBIの強引な捜査への注目が高まり、司法省の責任を問う声も上がっている。
ファイザーは、自社のワクチンの予防効果が接種後6カ月で低下していることが示されたとして、3回目の追加接種が必要だとする声明を発表した。しかし、多くの専門家は、世界の多くの人々がまだ1回目の接種すら受けていない現在、追加接種を検討するのは時期尚早だと述べている。
ティックトックでは、社会から疎外されたグループのユーザーに過大な影響を与えるような問題がしばしば発生する。そうした問題が口コミで拡散するそのたびに同社は謝罪して問題を修正するが、問題を未然に解決する取り組みが必要だ。
英語が主流言語の米国において、他の言語、特にアジア系の少数民族が使う言語の格差に苦しんでいる人は数百万人にも及ぶ。テクノロジーは格差を取り除くためには機能しておらず、むしろ格差を生み出している。
フェイスブックはドナルド・トランプ前大統領のアカウントを正式に2年間凍結した。だがこの決定は多くの問題を提起している。2年間のアカウント凍結は十分な措置なのか?公平なものなのか?これまでのフェイスブックの行動に照らし合わせるといくつもの疑問が残る。
国力を高めてきている中国の検閲行為は、もはや自国内にとどまらない。海外に移住した中国人や、世界中のインターネットユーザーにさえ影響を及ぼすようになっている。
EUに加盟する27カ国が導入を予定しているデジタル・ワクチン・パスポートシステムを、ドイツなど7カ国が先行導入した。所持者が新型コロナウイルスのワクチン接種を完了しているか、感染症から完全に回復しているか、72時間以内に検査を受けて陰性であったことのいずれかを証明するもので、証明があれば旅行時に検査を隔離を求められることがないというものだ。
自動化やAIにより雇用喪失を招いたとして批判されているテック業界の億万長者たちが主張する「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」の概念は、新型コロナのパンデミックを経て、経済的および人種的な不平等を是正するための「保証所得」へと重点がシフトしてきている。
世界中で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種プログラムが展開されつつあるが、展開のペースは国によって大きく異なっている。最も進んでいる米国や英国が人口100人あたり80回以上のワクチン接種を実施してきたのに対し、ワクチン接種が1度も実施されていない国も多い。
有権者の半数以上は、米国の政治システムはお金と権力を持つ人のためだけに動いていると考えている。シアトルが導入した「デモクラシー・バウチャー」制度は、金権選挙を変えるのに役立つかもしれない。
新型コロナの第2波に襲われているインドでは、5月中旬までに1日あたりの死者は1万2000人を超え、8月までの死者は合計100万人に迫ると予測されている。新型コロナに対する政治家たちの時期尚早な勝利宣言で対策が緩和されたうえ、大量のワクチンを国内需要に回さずに輸出してきたことが被害を悪化させている。
人工知能(AI)技術はこれまで、ほとんど規制されることなく、開発・展開されてきた。だが、風向きは変わりつつある。今週、欧州連合(EU)が新たなAI規則を明らかにしたほか、米国連邦取引委員会(FTC)が偏ったアルゴリズムを使用したり、販売したりしている企業に対して措置を講じる方針を発表したからだ。
グーグルは、ネット上での人々の行動を監視し、大量に収集したデータから膨大な収益を上げている。プライバシー保護の法制度が巨大テック企業の広範な監視から人々を保護できていない現在、私たちにできるのは、個人的な行動履歴を偽装する「ゲリラ作戦」でグーグルを混乱させることくらいだ。
映画やテレビへの検閲が厳しいインドにおいて、検閲対象から長らく除外されてきたストリーミング配信プラットフォームは、インドの映画製作者たちに新たな自由をもたらした。だが、モディ政権やヒンドゥー・ナショナリズムの脅威にさらされている現在、芸術的に解放された時代は短命に終わるかもしれない。
フェイスブックのおすすめアルゴリズムは、政治的二極化を助長していることが繰り返し指摘されている。米議会は3月25日に公聴会を開いて、同社のマーク・ザッカーバーグCEOにプラットフォーム上に蔓延するデマや誹謗中傷にどう対処しているのかを尋ねた。
ジャーナリズムの衰退は民主主義に危機をもたらす。オーストラリア政府はテック企業に対して記事の対価を支払うよう義務付ける法律を成立させたが、ほかにもアイデアはある。
プラットフォームの法的責任を免除することを規定した通信品位法230条を改正すべきだとする声が米国内で高まっている。米民主党が発表した改正案には支持する声がある一方、逆効果との声も上がっている。
米国の警察で採用されている犯罪予測システムの人種的偏見は、訓練データの変更で是正できると考えられてきた。だが、バイアスが少ないと見られるデータを用いても、ほぼ改善効果がないことが明らかになった。
ディープフェイクで作成されたポルノ画像による性暴力は、被害者に破滅をもたらす可能性があるにもかかわらず、これまで規制の対象とはされてこなかった。しかし、被害者を守るために活動家らが長年に渡って戦ってきた中で、議員らが注目せざるを得ない状況がようやく生まれている。
フェイスブックやツイッターなどテック大手による「アテンション・エコノミー」は取り返しのつかない損害を社会に与えている。企業は興味や関心をマネタイズするビジネスモデルを根本から全面的に変更し、人道テクノロジーに基づく新たな経済を確立する必要がある。
新型コロナの感染拡大に対し、世界に冠たる米国のテック業界は、人命と健康を維持するという最も重要な役割を果たせなかった。その事実は、イノベーションに関する米国の考え方に深刻かつ根本的な欠陥があることを露呈している。
米国でずっと続いてきた「情報格差」の問題は、パンデミックが始まったことで一層顕著になった。これからは都市部と非都市部における回線の有無だけでなく、人々の金銭的な問題にも焦点を当てる必要があるだろう。
米国のバイデン新大統領は、AIとどのように向き合うのか確かなことは何も発表していない。だが、大統領が指名した重要ポストの顔ぶれから、ある程度は予想できる。
バイデン大統領は執務初日、新型コロナウイルス感染症に関する7項目のプランを発表し、一部は大統領令によってすでに実行に移している。同感染症による米国の死者数があと数週間で50万人に達すると想定されている現在、対応をいくら急いでも、急ぎ過ぎということはない。
1月6日に米連邦議会議事堂が襲撃・占拠された事件は衝撃を与えた。潤沢なリソースを持つはずの議会警察はなぜ暴動を阻止できなかったのか。