GDPの2倍もの金額がモバイル決済されるアフリカ・ケニア。銀行口座を持たない人々を救い、金融包摂を実現すると期待されたモバイルマネーは、今では深刻なスポーツ賭博の被害も生み出している。
デジタル・テクノロジーは、お金の性質を変え、人々とお金との関係を変え、一部の国の経済管理能力を変えるかもしれない。それが将来、人類全体にとって幸福なのか、不平等をさらに悪化させるのかはまだ分からない。
パートナー間で家事の負担を公平に分配することで、女性側の負担を軽減することを謳う家事分担アプリが米国で人気だ。だが、実際には男女の役割を固定し、女性に余計なタスクを押し付けているだけなのかもしれない。
テクノロジーの進歩が人間とお金の関係を大きく変えてきたことは事実だ。しかし、その変化は突然やって来るものではない。MITテクノロジーレビューの過去の記事を読み返すと、「新しいお金の形」に戸惑いながら追従する人間の姿が見えてくる。
不動産テック企業として脚光を浴びていた米「ジロー(Zillow)」のつまづきは業界に大きな衝撃を与えた。米国の住宅市場に混乱をもたらしたテクノロジー主導型の事業モデルはなぜ行き詰まり、そこから何を学べるのか?
ロックダウンが続く上海では、オンライン食料品宅配サービスが住民のライフラインになっている。だが、過去2年間の経験に照らし合わせると、パンデミック後もこれらのサービスが生き残れるかどうかは分からない。
上海の都市封鎖に抗議する映像は、中国政府の検閲によってすぐに削除された。だが、中国の市民らはさまざまな手段で対抗した。中心となったのは、WeChat(ウィーチャット)のあるアプリだ。
ほんのわずかな力が加わっても崩れてしまうような深海生物は、標本にして詳細に研究することが難しかった。それが、イメージング技術によって「デジタル標本」を作成することで、詳細な研究が可能になってきている。
戦争が始まって以来、世界中の人々が、難民やウクライナの大義を支援しようと動いている。証拠の収集は簡単な作業に思えるが、その道のりは長い。
規制強化が進むロシアの報道は日増しに真実から乖離しつつある。ターゲティング広告やポップアップ通知などのさまざまな手法を駆使して、市民に正しい情報を提供しようとする試みが広がっている。
イスラム教徒の女性を偽オークション・サイトで「競売」にかけるといった、イスラム教徒に対する嫌がらせがインドで相次いでいる。インド政府やテック企業の動きは鈍い。
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ソーシャルメディア上では真偽不明の大量のニュースが飛び交っている。不用意な情報の拡散はたとえ善意であっても被害をもたらす可能性がある。
ロシアとの戦いに必要な軍資金を調達するため、ウクライナ軍を支援する組織は、ネット上で暗号通貨を使ったクラウド・ファンディングを活用している。ただ、課題も多い。
ここ1年ほどで急速に有名になった「メタバース」のアイデアは決して新しいものではない。根幹をなす「バーチャル世界の構築」というアイデアは、1851年のロンドン万博やその後のシカゴ万博にさかのぼることができる。そこから学べることは何か。
オミクロン株の急速な感染拡大を受けて、米国のバイデン大統領は新型コロナウイルス検査キットの無料配布を打ち出した。だが、社会的弱者には行き届かず、再び社会的不平等が浮き彫りになっている。
フェイスブックが本格参入するなど盛り上がりを見せるメタバースで、ユーザーの安全確保が課題になっている。関連テック企業のグループが作成したガイドラインは治安維持に役立つだろうか。
海底火山の噴火によって大きな被害が出ているトンガで、インターネット接続が途絶えている。破損した海底ケーブルの復旧に数種間かかると見られており、インターネット接続の脆弱さが改めて浮き彫りになった。
パンデミックを機に、バーチャル世界でのサイクリングレースがブームになっている。eサイクリングのトップライダーたちは現在、2月26日に開催される第2回目の世界選手権に向けて準備を進めている。アパートの部屋で一人孤独に、懸命に漕ぐ選手が世界王者になるかもしれない。
現在の私たちの生活は善かれ悪しかれ、デジタルテクノロジーの影響を大きく受けている。あなたの生活を少しばかり楽しく、安全で、有意義にしてくれる新年の8つの抱負を紹介しよう。
MITテクノロジーレビュー は毎年、その年の失敗したイノベーションを選んで年末に発表している。2021年にリストアップしたのは、効かないのに承認された高価なアルツハイマー薬、宇宙へ行く億万長者、美顔フィルターなどだ。
メタの実質現実(VR)ソーシャルメディア「ホライズン・ワールド」で、ある女性プレイヤーが別のプレイヤーから痴漢行為を受ける事件が発生した。VR空間での痴漢は初めて起こったことではなく、これで終わりになることもないだろう。メタバースを安全な場所にするために何ができるだろうか。
オミクロン株の発見が報告されて以来、多くの国々がウイルスの拡散を防ぐために渡航禁止を実施している。だが、こうした措置はあまり効果がないうえ、長い目で見ると不利益をもたらす可能性がある。
インターネット接続が不安定なアフガニスタンでは、「スニーカーネット」の商人らがデジタルコンテンツを路上販売してきた。取り締まりの厳しいタリバンの支配下にある現在も、生き残りをかけ、ひっそりとビジネスを継続している。
中国は今や、米国に並ぶ超大国として科学分野でも台頭しつつある。しかし、強力な祖国を築くために西洋の科学技術を求めた中国近代化の歴史は、屈辱と葛藤に満ちたものであった。
フェイスブック(メタに社名変更)が注力する「メタバース」の世界では自分そっくりのアバターを作れるようになるという。自分にそっくりなアバターを作ることができるのは嬉しいかもしれないが、身体イメージの問題をさらに悪化させる可能性があると懸念する声もある。