世界最高額で落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「サルバトール・ムンディ(世界の救世主)」には、奇妙なガラス玉が描かれている。コンピューターグラフィックス(CG)の手法を用いて絵に描かれた光景を三次元で再現し、ダ・ビンチが当時、科学知識に基づいて、中空のガラス玉を正確に描いていた可能性を示した。
電子投票機の導入が進む米国では不正防止のため、紙での記録を併用する動きがある。だが、新たな調査によると、ほとんどの投票者が投票後に投票用紙を確認しないことが分かった。
サイバーセキュリティ企業マカフィーの研究者は、道路脇の速度制限標識に些細な変更を加えることでテスラの自動運転システムをだまして、制限速度を80キロ超過させることに成功した。自律型システムが急増する中、「敵対的機械学習」の問題の影響は広範に及ぶことが危惧される。
オリンピックを標的としたロシアによるサイバー攻撃から、被害額数十億ドルの北朝鮮のマルウェアまで、政府の支援を受けた世界中のハッカー集団をマイクロソフトはどう監視しているのか。世界で最も危険なハッカーを追跡するチームを訪ねた。
中国科学技術大学のパン・ジエンウェイ教授らのチームは、都市間で信頼性の高い量子インターネットを築く基盤となる可能性のある手法の実証実験を実施。50キロメートルの光ファイバーを利用して、遥かに信頼性の高い量子もつれの状態を作れることを示した。
米大統領選へ向けた最初の予備選挙がいきなり投票でつまづいた。新たに導入された電子投票システムの不備によって混乱が生じている。
アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの携帯電話がハッキングされた疑いで、国連の専門家はサウジアラビアの関与の可能性を指摘している。だが、肝心のスパイウェアは見つかっておらず、捜査によって謎が明らかになるかは不明だ。
フェイスブックのパリAI研究所は、微分方程式と部分積分を解くことができるニューラル・ネットワークを開発した。数式を与えて訓練することで、初めて与えた数式でも、市販の数式処理ソフトウェアより高速かつ正確に答えを導くことができるという。
この10年間にわたってサイバー攻撃の能力は拡大し続けており、国際関係で優位に立つために国家はハッキング活動を積極的に利用するようになっている。2020年にはロシアをはじめとする国が、東京で開催されるオリンピックや米国大統領選挙に向けて熾烈なサイバー攻撃を仕掛けてくるだろう。
人権侵害と独裁政権への協力で高収益を上げていたイタリアのハッキング企業は、別のハッカーによるハッキング被害によって壊滅に追いやられた。だが、同社を買収した新しいオーナーは、法執行機関を支援しながら、新たな監視帝国を築きたいと考えている。
サイバーセキュリティ企業であるクアンタム・エクスチェンジのCEO(最高経営者)は、米国は量子セキュリティ技術において中国のみならず欧州にも後れを取っており、政府による早急なテコ入れの必要があると、MITテクノロジーレビュー主催のイベント「EmTech(エムテック)フューチャー・コンピュート」で述べた。
ワッツアップがイスラエルのサイバー監視会社NSOグループを提訴した。NSOグループはユーザー情報を盗むために、ワッツアップのサーバーに不正アクセスしていたことが判明したのだ。国連が呼びかけた、NSOグループのような監視ツールの取り扱いの即時停止に、大手テック企業は参加すべきだとフェイスブック傘下のワッツアップは述べている。
重力を及ぼし合う3つの物体の動きを正確に予測することは、昔も今も、解決困難な問題の一つだ。エディンバラ大学の研究者たちは、機械学習を利用することで、最先端のシミュレーションで得られる解とほぼ一致する解を、最大1億倍も速いスピードで導き出せることを示した。
姿を消したように見せていたロシア政府の有名なハッカー・グループが、長年にわたって世界各地で活動していることが判明した。
2020年の米大統領選に向けたセキュリティ対策の焦点の1つが、「脱ペーパーレス」だ。投票結果を改ざんできる可能性があるとして、メーカー最大手はペーパーレス投票機の販売を中止。だが、ペーパーレス投票機を使い続ける州も多く残る。
「量子超越性を実証した」とする論文を発表したグーグルのサンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)が、MITテクノロジーレビューの独占インタビューに応じた。
グーグルが世界初の量子超越性を実証したとする9月の報道に対し、IBMの研究者が異議を唱えている。グーグルが「スパコンで1万年かかる」と見積もったタスクは、実際には2日半しかかからない可能性があるという。
2016年の大統領選でのサイバー攻撃を教訓に、米国では2020年へ向けた選挙のセキュリティ対策が進められている。州の独立性を維持しながら、高度化する外国からの攻撃にいかに対処するかが課題だ。
グーグルが世界初の「量子超越性」を実証したとの報道を受けて様々な憶測が乱れ飛んだが、少なくともその一部は、今回の成果をひどく誇張したものに過ぎない。グーグルが同社の量子プロセッサーで達成したと思われること、量子超越性を取り巻く誤解について改めて説明しておこう。
オーストリア科学技術研究所の研究者は、マイクロ波光子のもつれを利用することで、低出力で機能する量子レーダーを作成した。ステルス型レーダーや生物医学的な分野での応用が期待できる。
MITの研究者たちが、超伝導ナノワイヤーを用いて、生物のニューロンに似た特性を持つ人工ニューロンを設計した。実行速度と消費電力の両面で、生物のニューラル・ネットワークに匹敵する性能を持つデバイスを構築する基盤となる可能性がある。
夫婦や交際相手などから受ける虐待に最新のハイテクツールやストーカーウェアが使われているという。ニューヨーク市政府は事態を改善するため、テクノロジストと家庭内暴力の被害者を結びつけるプログラムを実施して成果をあげている。
ミシガン大学の研究者らが、幅広いサイバー攻撃に耐性を持つ「モーフィアス」テクノロジーを採用した新型プロセッサーのプロトタイプを開発した。米国防総省の資金援助により開発された同チップは、チップを制御するコードの重要な部分を繰り返し変更することで、ハッカーが脆弱性を悪用できないようにする。
グーグルの最近の発表によると、Webサイトにマルウェアを仕掛ける「水飲み場型攻撃」により、特定のWebサイトを訪問した何千人ものアイフォーンユーザーがマルウェアに感染し、機密性の高いデータを盗まれた恐れがあるという。アップルがパッチを適用したため、現在は感染の恐れはないが、誰のデータが盗まれたのか、犯人は誰なのかは、未だに分かっていない。
シリコンチップに比べて高速かつ消費電力が低いカーボンナノチューブのプロセッサーの実現に目途が立ってきた。MITの研究チームは、新たな手法を用いて、これまでに実証された中ではもっとも複雑とされる1万4000個以上のカーボンナノチューブ・トランジスターを搭載し、実際にプログラムを実行できる16ビットプロセッサーを開発した。