気候変動の影響により、空調システムの需要が世界的に高まっている。MITテクノロジーレビューが選ぶ「気候テック企業15」の1社であるブルー・フロンティアは、代替冷媒と乾燥剤を活用して、より効率的な空調システムを提供するスタートアップ企業だ。
欧州委員会が中国の電気自動車(EV)メーカーに対する調査を開始すると発表した。欧州は中国政府からの不当な補助金がメーカーに流れ、競争が阻害されていると主張しており、調査の結果次第では自動車産業に大きな影響を与えそうだ。
廃熱や地熱を利用して地域に冷暖房や温水を提供する熱エネルギー・ネットワークのプロジェクトが米国内で立ち上がり始めた。こうしたプロジェクトには、炭素排出量の削減だけにとどまらないメリットがある。
地球温暖化対策の切り札とも目されている核融合発電は、依然として「未来のエネルギー」の域を出ていない。だが最近、いくつかのマイルストーンを達成したことを考えると、実現を諦めるべきではない。
気候変動の話題では「あらゆるものを電化する」という言葉がよく登場する。考え方はシンプルだが、よく考えると「あらゆるもの」とはどこまでを指すのかといったことなど、よく分からないことが多い。
中国が重要鉱物であるゲルマニウムとガリウムの輸出規制を打ち出してから2カ月が経過した。重要鉱物は半導体の製造だけでなく、気候変動への対応にも欠かせないものだ。その役割と中国の政策について、専門家に話を聞いた。
MITテクノロジーレビュー[日本版]はeムック Vol.53 / 2023.09をリリースした。『気候変動と「水」 人類はどこまで適応できるか』特集をお届けする。
ヨン・ソクジョが共同創業したスタートアップ企業「アモジー」は、アンモニアを使ってトラックや船舶が運行できるシステムを開発することで輸送産業の脱炭素化に貢献する。
現在バッテリーの主流であるリチウムイオン電池には発火しやすい欠点がある。送電網など大規模な貯蔵設備での利用を見越して、より安全性の高いバッテリーを開発・製造する企業が増えている。
電気自動車(EV)の購入を考える人にとって、大きな問題となるのが充電速度だ。中国の大手電池メーカーCATLの発表によって、EV充電の新時代が到来するかもしれない。
亜鉛ベースの蓄電池を開発・製造する企業が、米国エネルギー省から4億ドルの融資を受けることが決定した。再生可能エネルギーの拡大で高まる送電網向け蓄電池のニーズを満たせるか、注目される。
中国の電池メーカーCATLが8月、新しい急速充電池を発表した。従来の2倍の速度での充電が可能だといい、充電時間や航続距離に対する消費者の懸念を払拭し、EVの普及を加速させる可能性がある。
太陽光を宇宙に反射させることで地球温暖化を抑制する「太陽地球工学」が物議を醸している。だが、議論は一部の先進国にとどまっており、気候変動の影響を最も受ける地域の人々の声が重要だ。
米国でハリケーンによる被害が報じられている。ハリケーンと地球温暖化の関係や、良いニュース、悪いニュースについて掘り下げてみよう。
地球温暖化に関連付けられている異常気象はたくさんある。だが、ハリケーンの頻度や強度と地球温暖化の関係は、一般に考えられるよりも複雑だ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のキャンパスには、1950年代に建設された研究用原子炉がある。MITは、この古い施設を次世代の原子炉技術の開発に活用すべく準備を進めている。
世界初の「最高熱波対策責任者(CHO:Chief Heat Officer)」に任命された米国フロリダ州の公務員は、酷暑から自力で身を守れない脆弱な人たちを支援している。
地番沈下と海面上昇に悩まされているイタリアの都市、ベネチアは最悪の場合、2100年には水没してしまう可能性があるという。科学者たちは、この沈みゆく都市を、環境問題解決のための実験室と見なしている。
1年前に成立した画期的な気候変動対策法である「インフレ抑制法」によって、製造業や電気自動車、温暖化ガス排出量の状況はどう変わり、今後、どのようなことが起こりうるかを説明しよう。
コンピューティングの際にサーバーから発生する熱を有効活用することを目指すユニークなスタートアップ企業が登場した。サーバーをデータセンターに置く代わりに家庭に設置し、サーバーの熱を利用して各家庭で使うお湯を沸かそうというのだ。
数千億ドルの予算を投じてクリーン・テクノロジーのコスト削減と温室効果ガスの排出量削減を目指す「インフレ抑制法」の成立から1年が経過した。米国の気候テクノロジー政策がどのような状況にあるか、確認しよう。
米国政府は、大気から二酸化炭素を回収する直接空気回収テクノロジー(DAC)に12億ドルを拠出すると発表した。実験段階だったDACの大規模展開を推進する。
猛暑の夏が再び世界を襲っている。なぜ猛暑は問題なのか、人間にとって「暑すぎる暑さ」とはどれくらいなのか、暑さへの順応はどの程度可能なのか、以前の記事を踏まえて深掘りしてみた。
地球上の多くの地域が前例のない猛暑に見舞われており、身を守るにはエアコンが欠かせないものになっている。今後全世界で、エアコンを設置する世帯は急増していくが、電力供給量は追い付くのだろうか。
国際エネルギー機関(IEA)が発表した年次投資報告書で、クリーン・エネルギーへの投資額が化石燃料への投資額を上回った。間違いなく良いニュースだが、気候変動目標を達成するには、まだ投資額が足りないのが現実だ。