電動スクーター向けの充電インフラを展開する台湾企業のゴゴロは、電動バイクのバッテリー交換ステーションを「バーチャル発電所」として機能させる取り組みを進めている。先の台湾地震でも電力需要を削減し、送電網を安定させるなど一定の成果を上げている。
架空の島「カタン」を開拓するボードゲーム・シリーズの新作「カタン:ニュー・エナジーズ(Catan: New Energies)」は、今日の気候テクノロジーに注目している。説教臭くもなく、楽しみ、考えさせられるゲームになっている。
世界的なSUV(スポーツ用多目的車)ブームが止まらない。クルマの大型化は気候対策にとってよい兆候ではないが、EVへのシフトが進めば大幅な二酸化炭素削減につながるかもしれない。
膨大な電力を消費するとされる生成AIの気候への影響について、どの程度心配するべきだろうか。詳細に見ていくと、必ずしもAIによる電力消費だけを単純化して考えるべきではない理由が見えてくる。
昨年の北半球の夏は、過去2000年において最も暑かったという。だが、気象台はおろか、まともな温度計もなかった時代の気温を研究者らはどのようにして知ることができたのだろうか。
かつて貴重な金属でだったアルミニウムがありふれた金属になったように、豊富で再生可能な資源から得られる電気を動力源とする世界は、今や手の届くところまで来ている。
電気自動車(EV)用の充電ネットワーク設置を主導してきたテスラは先日、充電部門のメンバー全員を解雇した。充電器の増設はEV普及に不可欠であり、気候変動対策に必要なインフラの構築を特定の企業に依存する危険性を浮き彫りにしている。
培養肉や代替畜産物は、持続可能なタンパク質の大量生産に向けた道筋を提供する。これらに本来求めるべきは、安全で美味しく、気候汚染を削減できることであるはずだ。
蓄電池が電力セクターで急成長し、新規設置容量は前年の2倍に達した。米国ではすでに送電網において存在感を発揮し始めている。
太陽地球工学による気候への介入について、世界中で曖昧な理由による中止や中断が続いている。しかし、コーネル大学のダニエレ・ビジョニ助教授は、より多くの情報に基づいた決断を下すためには、透明性、国際協力、市民参加を促進しながら、屋外試験を含めた研究が必要だと主張する。
低排出エネルギーへの移行は化石燃料に比べ鉱物採掘を大幅に削減できることが分かった。ただし、採掘の環境・社会への影響を最小化することが不可欠だ。
持続可能な方法で生産されたトウモロコシを使用するエタノールは、米国政府から多額の税控除を受けられるようになった。しかし、航空燃料として使うことによる二酸化炭素排出抑制の効果には懐疑的な声もある。
水素は地球温暖化ガスの排出量を削減するためのツールとして、多用途での利用が期待されてきた。だが、ここに来て、クリーンな水素をどの用途に使うかが重要だと考えられるようになってきた。
エネルギーを熱として貯蔵する「熱電池」システムは、重工業の産業施設などから排出される地球温暖化ガスの削減に役立つ可能性がある。現在登場しているさまざまな種類の熱電池について詳しく見ていこう。
フィンランドの研究チームはこの10年、絶滅の危機に瀕しているアザラシを保護するため、湖の氷の上に雪を押し固めた人工シェルターを作って繁殖の手助けをしてきた。だが、昨今の世界的な気温上昇で、湖が雪と氷で覆われなくなることが予測されている。
鉄道の脱炭素化の一環として、水素燃料電池で走る旅客列車が年内にも米国内で初めて運行を開始する。だが、架線による電化を推進する団体からは、環境面でもコスト面でも問題があるとして水素電車の導入に反対する声もある。
最近の研究で、ルートの変更は比較的手頃なコストで行える可能性があることが明らかになった。
地球温暖化対策として成層圏に粒子を散布しようとしたハーバード大学の10年越しの太陽地球工学実験は、各方面で物議を醸し、ついに断念せざるを得なくなった。プロジェクトを主導した教授や関係者が、今回の顛末から得られた教訓を語った。
ごみ拾いSNSを展開するピリカの創業者である小嶌不二夫はごみ問題の状況把握のための活動をグローバルに展開し、問題の大きさを測るための世界共通の「ものさし」を世界で初めてつくろうとしている。
米国で原子力発電所の運転期間延長が相次いでいる。平均運転年数は42年、すでに80年への延長を認められた原発もある。
MITテクノロジーレビューの読者投票で、2024年のブレークスルー・テクノロジーの次点に熱電池が選ばれた。なぜ熱電池がいま注目されているのか。
大気汚染に対する近年の規制強化については、住民の健康被害が減少する一方で、太陽光を反射する大気中の二酸化硫黄の量が減って地球冷却効果が薄れることで、地球温暖化を加速する一因となっているとの指摘がある。
気候変動担当記者の私が、愛してやまないのがバッテリー(電池)だ。気候変動対策における重要な役割を占めていること、汎用性の高さなど、評価すべき点が多いのがその理由だ。
人々の経済的な格差が地球温暖化問題に対する脆弱性の格差に直結していると考えるナンシー・M・ブラウンは、「気候衡平性スペシャリスト」としてのキャリアを追求し、不平等な世界における気候問題対策の正義のあり方を実現しようとしている。
セメントは建設の要であり、道路から高層ビルまで欠かせない存在だ。だが、製造過程から膨大な温室効果ガスを排出し、気候変動問題の足かせとなっている。MIT発のスタートアップは、電気化学を応用したセメント製造法で脱炭素化に挑戦している。