トーイング(TOWING)の最高技術責任者(CTO)西田亮也は、未利用バイオマスを活用した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を実用化した。農業のあり方を大きく変え、温室効果ガス削減に寄与する技術は、宇宙農業も実現し得るものだ。
英国の研究助成機関は、気候変動が臨界点に近づいたことを知らせる早期警報システムの開発におよそ1億ドルを拠出する。センサーの開発、観測ネットワークの構築、コンピュータモデルの構築に向けて取り組むチームを支援する。
昨年のカナダの山火事で排出された炭素量は、一つの国とみなすと中国、米国、インドに次ぐ4番目にもなる。山火事に伴う炭素排出が気候変動を助長し、気候変動による環境変化が山火事を悪化させるという悪循環が発生している可能性がある。
今後100年間について考えるとき、真っ先に頭に浮かぶのは材料のことだ。どんな材料が必要になるのか? 十分な量はあるのか? 重要な問題を答えを見出すヒントが、ネオジムだ。
気候変動による脅威に立ち向かう方法は、温室効果ガスの排出削減のような「緩和」だけではない。「適応」も重要だ。緩和と適応の分野は長らく分断されてきたが、今ではその両方が必要であることが認識されつつある。
気候問題を解決するために私たちに必要な感情は希望ではない。自然の威厳と脆さに対する畏敬の念、人類が引き起こした幅広い変化に対する謙虚さなど、特別な感情が必要だ。
米インフレ抑制法が成立してから2年が経過した。巨額の補助金や税額控除の恩恵を受けた気候テック分野では、その効果が着実に現れ始めている。
アンドリュー・エンは、地球温暖化対策の一つとなり得る「成層圏エアロゾル噴射(SAI)」の影響を予測するAIエミュレーターを開発した。記者も実際に試してみた。
持続可能な社会を実現するために利用可能な資源量を推測することは、材料の需要が移り変わり、採掘やリサイクルの技術が進歩する中、困難さを増している。エネルギー転換によって需要の主役となったネオジムを例に、今後100年のサプライチェーンの課題を考える。
多くの人々が同じような時間帯に自宅に戻ってきて、エアコンの電源を入れる。その結果、夏の夕方は1年の間でも最も電力需要が高い時間帯となっている。そして、この時間帯の電力需要の高まりは、送電網に大きな負担をかけている。
音楽ストリーミングが環境に与える影響を軽減するためには、より小さなデバイスの使用やダウンロードへの回帰など、できることがある。気候変動に対して罪悪感を持たずに音楽を楽しむ、5つの方法を紹介しよう。
気候問題を解決するためには、すばらしい技術を開発するだけでは不十分だ。投資家に転身したフェイスブックの元CTOは5~10年で既存の技術と価格差をなくす製品を開発できる企業を探しているという。
ルイジアナ州南西部の沿岸は、米国で最も厳しい気候予測に直面し消滅の危機に瀕している。コミュニティの保護により産業を持続することを目標とした、消滅の危機から脱出するための州政府主導のプロジェクトは、この地域を救うことができるのだろうか。
気候テック分野のスタートアップ企業が急増している。2000年代末から2010年代前半にかけて「クリーンテック1.0」を取材してきた記者が、当時の失敗から得られた重要な教訓を紹介しよう。
中国企業が水素燃料電池車の開発に本腰を入れつつある。しかし、中国ではまだ水素を化石燃料から作っており、気候変動問題に対処することが主な目的ではないのは明らかだ。さしあたり、中国企業は1つの良い答えを見つけている。
鉄鋼生産で排出される温室効果ガスは現在、世界全体の排出量の7%を占めている。排出量の少ないグリーンスチールはまだ高価だが、自動車の場合は価格にさほど上乗せすることなく採用できるかもしれない。
乗用車の世界ではバッテリー搭載の電気自動車(EV)の普及が進んでいる。しかし大型トラックの世界は、乗用車とは同じようにはいかないかもしれない。燃料電池車を含む複数の選択肢を残しておくことが必要だ。
暑い夏にはエアコンの電力需要が急増して送電網に大きな負荷をかけており、ピーク時の負荷を軽減するために計画停電を余儀なくされることもある。冷却力を蓄えておく新たな冷房技術により、この問題を解決できるかもしれない。
メタでCTO(最高技術責任者)を務めていたマイク・シュローファーは、なぜ投資家へと転身したのか。気候テック企業を支援することで、何を目指しているのか。MITテクノロジーレビューに語った。
米国エネルギー省は、将来が有望視される集光型太陽熱エネルギー技術に基づく9つのプロジェクトへの3300万ドルの資金提供を発表した。提供先には、太陽熱を利用してビール醸造のための蒸気を生成するプロジェクトも含まれている。
米カリフォルニア州のスタートアップ企業は、バッテリーとモーターを搭載したトレーラー部を開発している。ディーゼル・エンジンを動力とする既存のトレーラー・ヘッドを流用しながら、有害なガスの排出量の大幅な削減を可能にするアイデアだ。
二酸化炭素削減量を「クレジット」として購入し、書類上で自社の排出量を「実質ゼロ」と宣言する企業は少なくない。グーグルが「実質ゼロ」の看板を下ろした背景には、企業が何に資金を投じるべきか、気候対策の中身を問う新たな潮流がある。
企業の気候汚染に対する取り組みは、温室効果ガス排出量の「実質ゼロ」達成で評価されてきた。だが、早期達成を宣言したアマゾンに対して、グーグルは主張を撤回するなど、企業によるアプローチに違いが出てきている。その新たな潮流を解説する。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3~6次報告書の執筆に携わるなど、地球環境問題に工学的そして学際的なアプローチで取り組んできた田中加奈子氏。現在はサイエンティストとしてさまざまな企業への助言にも関わる田中氏に話を聞いた。
山火事が発生して燃え広がってしまうと、火災の全容を把握することさえも難しくなってしまう。米コロラド州のあるスタートアップは、高精度赤外線センサーを搭載した小型の高高度気球を開発。安全かつ低コストな新技術で、火災の早期発見と正確な追跡の実現に取り組んでいる。