7時間にもおよぶ気候変動対策をテーマにした討論会で、10人の米大統領候補者たちは何を語ったのか? 原子力発電から地球工学、天然ガスまで、立場の違いが鮮明になってきた。
フランス現地メディアが、フランス政府が大手電力会社に大型原子炉6基の建設計画を策定するよう指示したと報じた。フランスは原子力発電大国だが、福島第一原発の事故以降の世論に押されて縮小を表明していただけに、政府の突然の方針転換に驚きの声があがっている。
二酸化炭素排出量を規制する取り組みの一つである排出量取引(キャップ・アンド・トレード)制度では、カーボン・オフセット・クレジットが中核となっている。しかし、カーボン・オフセットでは二酸化炭素排出の削減量を過大評価していることが多く、気候変動対策としては欠陥のある方法だという最新の証拠がカリフォルニア州の制度で示された。
9月23日に開催された国連気候行動サミットにおけるグレタ・トゥーンベリの演説は大きな反響を呼んだ。だが、ほとんどの経済主要大国の政治家たちは腰が重く、一般市民らも問題解決のためにコストを負担することについてはいまだ消極的だ。
ニューヨーク市は、甚大な被害をもたらしたハリケーン・サンディの教訓を生かして、気候変動の危機的影響への対策を矢継ぎ早に打ち出している。目立たない防波堤、白い屋根、熱中症の兆候を監視する地域社会プログラムなどは、問題に対処するための戦略の一部だ。
アマゾンで起こっている大規模な火災は後戻りのできない「臨界点」を超えてしまうかもしれない。「アマゾンの枯損」までの明確なシナリオは示されていないが、決定的に悲惨な結果をもたらす可能性がある。
気候研究者たちはいまや、高精度のコンピューター・シミュレーションを高速に実行することで、ある地域で発生した異常気象が気候変動の影響によるものなのかどうかを、迅速に判断できるようになった。たとえば、7月末に欧州を襲った熱波は、ほぼ確実に気候変動が原因であるとしている。
街中どこでも「乗り捨て」ができる電動キックボード(eスクーター)がここ数年、欧米の都市で急速に普及している。だが、「環境にやさしい」という触れ込みは必ずしも事実ではない可能性が新たな研究で明らかになった。
牛肉の生産では大量の温室効果ガスが排出される。だが、完全なベジタリアンに移行しなくても、食生活の部分的な見直しで大きな違いが出ることが分かった。
米民主党大統領候補の2時間の討論会で、気候変動の問題はほとんど語られなかった。私たちは改めて7つの質問を候補者に問いたい。
世界人口の爆発的な増加が見込まれる中、食糧問題はますます深刻化している。人口増に伴う食糧需要に対応するにはインドの2倍近い農畜産地が新たに必要になるが、野放図な土地転換は地球温暖化を飛躍的に進めてしまう可能性がある。
13億人の人口を抱えるインドで再生可能エネルギーの導入が加速している。だが、いくら大規模な太陽光や風力発電発電所を作っても、急速な経済成長に伴う電力需要の増加には追いつけず、二酸化炭素排出量の削減は困難な状況にある。
携帯電話や無線機器の無線信号を利用して天気予報の精度向上を目指すスタートアップ企業「クライマセル」が注目されている。きめ細かいデータを集めることで、従来の手法よりも60%以上正確だと主張している。
「燃えやすい大陸」オーストラリアは、大規模な山火事をこれまで数多く経験してきた。家を失い、命が失われても、住民の多くは森林に住み続ける。世界中で大規模な山火事が相次ぐ中、オーストラリアは世界に先駆けて有効な対策を示せるのだろうか。
上水道の70%が汚染され、年間20万人が死亡——。インドの水不足が深刻だ。干ばつで水源が枯渇し、貯水池の整備の遅れや水道管の水漏れ、未配管などの問題も山積する。都市部では「水マフィア」が水不足の解消を担う中、ボトムアップで問題の解決に取り組む市民もいる。
米国の農家はこれまで、気候変動を取るに足らぬものとして無視してきた。だが、数十年続いてきた生産性向上のペースはすでに鈍化している。平均気温上昇がこのまま続けば、トウモロコシや大豆などの収穫量が大きく減少し、世界の食糧事情に深刻な影響を与える可能性がある。
経済学者が主張する「炭素の社会的費用」は気候変動への対応を進めるための強力な指針となる。正確な算出はいまだ困難だが、膨大なデータと高度なモデリングによって正確な値を計算する過程では、不平等な分配などの問題を浮き彫りにしつつある。
二酸化炭素の排出源となる既存インフラの排出量だけで、気候変動に関するパリ協定の努力目標をすでに上回ることが判明した。再生可能エネルギーの増産だけでは追いつかず、既存インフラの早期稼働停止や大規模な改良が必要だ。
気候変動に関するパリ協定の目標達成が困難になり、海洋汚染が深刻化し、ますます多くの動物が絶滅しつつある現状において、私たちがすべきことは、資本主義を強化し、生活水準をさらに向上させることだ。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院のアンドリュー・マカフィーはそう主張する。
地球温暖化対策として、より多くの二酸化炭素を農地の土壌に捕捉し、貯留する農法である「カーボン・ファーミング」が注目されている。だが、地球温暖化の対策としてどの程度効果があるのかは、科学的には明確になっていない。
前回の米国大統領選挙ではほとんど話題にならなかった気候問題が、2020年の大統領予備選では重要な争点の1つなった。現時点での有力な民主党候補者の主な主張を比較する。
スタンフォード大学の研究者が、地球温暖化を抑えるために、大気中からメタンを除去することを提案している。メタンの分子は二酸化炭素の分子よりも多くの熱を取り込むので、二酸化炭素よりも少ない除去量で、大きな利益をもたらす可能性があるという。
地球上における人口増加と経済規模拡大のペースを考えると、人類がいずれ、資源を求めて太陽系に進出することは避けられないだろう。太陽系の資源を保護するための取り決めを早期に実施し、地球での資源開発の失敗の二の舞を防ぐことが重要だ。
暗号通貨による環境への影響を評価した最新の研究によると、ビットコイン採掘は世界の電力消費量の約0.2%を占め、二酸化炭素を年間で約22~23メガトン排出しているという。
カリフォルニア州史上最大の被害を出した山火事で9割の家屋が焼失したパラダイス町で、復興に向けての長い道のりが始まった。気候変動によってますます自然災害が発生するリスクが高まる中、真の安全は手に入れられるか。