MIT教授らが創業した蓄電池スタートアップ企業「ポリジュール(PolyJoule)」が第一弾の製品を発表した。比較的安価に製造でき、安全性に優れているといい、送電網用蓄電池としての普及を目指す。
核融合による発電は、物理学者やエンジニアの長年の夢となっている。2021年9月、コストのかからない小型核融合炉を開発するために必要な、大きな工学的成果が得られた。
安価で長持ちする鉄系電池は、再生可能エネルギーで発電した電力の供給を安定化し、使用を拡大するのに役立つ可能性がある。
大気中の二酸化炭素を捕捉する大規模なプラントは、危険なレベルの地球温暖化を回避するのに役立つと同時に、新しい産業の創出に貢献するだろう。
近年、気候変動による干ばつが原因で、カリフォルニア州で水力発電による発電量が減少している。不足した発電量は天然ガスによる火力発電で補われているため、温室効果ガス排出量の増加につながっている。
2℃の気温上昇を防ぐためには、温室効果ガスの大幅な排出削減だけではもはや間に合わない。二酸化炭素の除去も必要不可欠だと国連の最新報告書は指摘する。
地球の表面の7割を占める海を使って地球温暖化の問題を解決しようとする動きがある。その1つが、海水に鉱物を砕いて混ぜ込むことで、二酸化炭素をより多く吸収させる試みだ。だが、大きな効果を得ることは難しい可能性がこのほど指摘された。
米国の主要な石油生産拠点周辺での新たな大気測定によると、従来の予測値を大幅に上回る大量の温室効果ガスが2018年から2020年にかけて排出されていたことが分かった。
超伝導材料を使った強力な磁石を開発したMIT発スタートアップ企業コモンウェルスは、実用的な核融合炉を2025年までに稼働できると考えている。だが、依然として課題も多い。
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍は電力供給施設を標的にしている。ウクライナは国内の主要発電所が稼働停止した場合でも電力の供給を続けられるよう、EUとの送電網統合を急速に進めたい考えだ。
米ローレンス・リバモア国立研究所の科学者たちが立ち上げたスタートアップ企業が、カリフォルニア州に新しい燃料製造プラントを計画している。農業廃棄物の山から水素を作り出して、二酸化炭素を地中に貯留する施設は商業的に成立するか。
地球温暖化を抑えるための方法として炭素を吸収する樹木や作物を植えることが提唱されている。だが、食糧生産と競合し、生態系を変化させ、生物多様性に負担をかけるリスクを踏まえた、慎重な取り組みが必要だ。
風力発電や太陽光発電がさらに普及するためには、大規模な蓄電設備が欠かせない。安価で豊富に存在する鉄や塩、水を主な材料とする鉄フロー電池は、クリーンエネルギーの無害な貯蔵方法として期待が高まっている。
過去50年間にわたるMITテクノロジーレビューの記事から読み取れるのは、核融合エネルギーに対する人類の試行錯誤の痕跡だ。
ロシアのクライナ侵攻はエネルギーコストをさらに上昇させる恐れがあり、ロシア産の化石燃料に深く依存している世界各国は大きな影響を受ける可能性がある。即効性のある対策はほぼない状況だ。
今後、気候変動の脅威が高まるにつれ、地球工学の可能性と危険性について耳にする機会がますます多くなるだろう。地球工学の歴史や現状、地球工学を検討すべき理由について、質問に答える形でまとめた。
気候変動の影響が最初に現れるのが「水」だ。今後は洪水や山火事が増えたり、両方同時に襲ってくることになるだろう。「水」特集に寄せる、米国版編集長からのエディターズ・レター。
米国テキサス州エル・パソは元々、降水量が少ない砂漠の都市であり、何十年もかけて干ばつに強い街づくりをしてきた。しかし、気候変動に起因する2020年からの大干ばつで窮地に追い込まれている。
気候変動の影響として懸念される海面上昇に比べて、地下水位の上昇はあまり注目されていない。だが、住宅の破損や健康被害など、沿岸部の住民へ与える影響は決して小さくない。
旧ソ連の過剰なダム建設により、ロシアで最も重要な河川は機能不全に陥った。河川の汚染が進み、気候変動を加速させ、期待したほどの成果は得られていない。どうすればこの河川を元に戻せるのだろうか。
南極のスウェイツ氷河東側の棚氷の亀裂が広がっており、棚氷が切り離された場合、海面上昇で何千万人もの人々の生活に影響が出る可能性がある。ある研究チームは、海中にカーテンを設置することで、これを食い止められるかどうかを調べている。
気候変動は欧米や専門家だけで話すべき問題ではない。気候科学は非常に重要だが、気候変動を身をもって経験している人たちの話でその科学を咀嚼することにより、私たちは技術的な解決策についてより創造的に考え始めることができるはずだ。
カリフォルニア州は農業に適した土地だとされている。しかし、初めから農業に向く土地だったわけではない。山の向こうにある川から水路を引き、地下水を汲み上げるなどの人工的な工事によって、農業に欠かせない水を確保してきたのだ。そして今、カリフォルニア州を空前の干ばつが襲っている。
地球上にどれだけの水が存在するのか? これまであまり詳しく観測できていなかった河川や湖、ため池の状況が、人工衛星のリモート・センシング技術によって把握できるようになってきた。人類は、もっと賢く水を管理できるようになるのだろうか。
今や、気候変動による海水面上昇は多くの人が知ることとなった。ここまで地球環境が悪化するまで、人類は何をしていたのだろうか。MITテクノロジーレビューの過去の記事を読み返すと、気候変動や海洋環境についての見方が時代によって変わっていることが分かる。