新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はなぜこれほど感染していくのかが疑問になっている。米国立衛生研究所(NIH)の研究チームは、ダンボールや鉄、プラスチックなどさまざまな素材の上でウイルスがどのくらいの期間残存するのかを調べた。
機械学習の手法を用いて神経信号を増幅することで、上肢切断者が自らの意思で義肢をコントロールできることを示す実証実験の結果が報告された。神経信号を記録する電極を埋め込まれた4人の被験者は、小さなおもちゃのブロックを拾い上げたり、じゃんけんをしたりできるようになった。
韓国政府は、新型コロナウイルス感染のさらなる拡大を防ぐため、「自宅隔離」を命じられた市民を監視するためのスマホアプリを発表した。担当職員に連絡して健康状態を報告させるためのアプリだが、自宅待機中の市民の位置情報をGPSで追跡する。
米国疾病予防管理センター(CDC)が、新型コロナウイルス感染症の検査体制の整備で大きな遅れを取っている。感染症対策で「お手本」とされることが多い世界的な保険機関は、なぜ初期対応を誤ったのか。
科学者たちは、新型コロナウイルスの遺伝子変異をリアルタイムで追跡している。遺伝情報から、ウイルスの進化の様子や、各国に複数の経路で侵入している事実が明らかになってきた。
中国の武漢で発生した新型コロナウイルスの感染は広がり続けており、パンデミック(世界的流行)になる可能性が出てきた。確実に効果が確認された治療法はまだ存在しないが、新型コロナウイルス感染症の患者に試されている有望な薬をいくつか紹介しよう。
遺伝情報のみから新型コロナウイルスを研究室で人工合成する計画が米国で進んでいる。治療法の開発に役立つ可能性がある一方で、技術が悪用されるリスクはないか。
武漢大学中南医院の救急部門の医師らが、新型コロナウイルスに感染した場合の症状や致死率についての報告書を発表した。新型コロナウイルスの最も一般的な症状は発熱で、患者の4分の1が、主に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症により、最終的に集中治療室(ICU)に入ったという。
心臓や肝臓などの生死に関わる臓器の移植では、依然として人体に頼らなければならない。臓器不足の解消へ向け、遺伝子編集ブタを使った異種移植の実現という夢を追う、ドイツの研究者を訪ねた。
抗うことのできない「自然現象」から、治療可能な「病気」へ。老化に対する見方が刷新され、病気として治療可能になれば、社会や人々の生活を根本的に変える可能性がある。
食事を摂りながら体を断食状態にできる「プロロン」。アンチエイジング研究者が苦境の中で開発した、若返りダイエット法を試してみた。
科学の進歩は、老化の研究にも大きな影響を与えている。そして、若返り、超長寿を望む人が増えている。自らの身体を使って実験をする民間の研究者や、研究に資金を提供し宗教化している高齢の富豪もいる。こうしたトランスヒューマニストたちは何を考え、何を目指しているのか。
世界初の遺伝子編集ベビーを誕生させたと発表して物議を醸した中国人科学者に対して実刑判決が下された。
ハーバード大学の著名遺伝学者が創業メンバーに名を連ねる米国のスタートアップ企業が、遺伝子検査結果に基づいてパートナー探しを支援するサービスを開発。優生学的だとの批判が殺到する一方、研究者は社会的意義を強調している。
昨年11月、世界で初めて遺伝子編集ベビーを誕生させたと発表した中国人科学者は、中国当局によって自宅軟禁され、正確な情報を得ることは困難となっている。未公表の研究論文を読んだペンシルベニア大学医学大学院の准教授は、公表の必要性を訴える。
およそ1年前、世界で初めてクリスパーで遺伝子を編集した赤ちゃんを誕生させた中国の賀建奎 (フー・ジェンクイ)元准教授が寄稿したと見られる未公表論文の写しを、MITテクノロジーレビューが入手した。その内容は、彼が遺伝子編集ベビーを誕生させるにあたり、倫理的および科学的な規範をどれほど無視していたかを示すものだ。
平均寿命が延び、女性の社会進出が進んだにも関わらず、女性の生殖寿命は変わらないままだ。米国では「卵子凍結」する女性が増え、福利厚生の一環として費用を負担する企業もある。女性の生殖寿命を延ばすことができるのだろうか?
世界中のあらゆるモノがインターネットに接続する中、バクテリアを使った新たなIoTの実現可能性が浮上している。バクテリアは優秀な情報伝達デバイスになる一方で、生物ならではの問題点も残している。
米国では遺伝子系図サービスを使った未解決事件の「犯人探し」が続いている。だが、ボランティアによって運営される大規模なDNAデータベースに重大なセキュリティ上の欠陥があることが判明し、波紋を呼んでいる。
量子力学では、すべての物質は波と粒子の両方の性質を備えるが、巨視的な物質では波としての性質を測定することは難しい。ウィーン大学の研究者らは、生体分子が示す波としての性質を実証する自己干渉パターンの測定に初めて成功した。この実証実験は量子生物学の新時代に道を開くものとなるだろう。
米海軍が50年以上に開始した海洋哺乳類プログラムでは、イルカの並外れた反響定位能力を利用して、海中の危険物を除去する活動をしている。イルカが効率よく、正確に機雷を発見する能力は、世界最高性能のソナーシステムをはるかにに凌駕しており、イラク戦争における機雷除去でも大きな成果をあげた。
トランプ大統領が過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者殺害で言及した軍用犬をはじめとして、米軍には多くの軍用犬がいる。科学者は長い間、犬の鼻よりも優れた装置を作成しようと試みてきたが、犬は現在も、微量の化学物質を検出するに当たって、電子式の装置よりもはるかに有用だ。
従来の「CRISPR(クリスパー)」よりも正確な遺伝子編集を可能とする「プライム編集」は、あらゆる遺伝性疾患の原因となるエラーを修復できるという。
個別化医療薬の投与によってバッテン病の少女の症状が改善されたとの報告が学術誌に掲載された。だが、患者一人ひとり向けにあつらえる遺伝子治療薬の製造には数百万ドルの費用がかかるとされており、その恩恵を受けられる人は極めて限られているのが現状だ。
遺伝子療法の進歩は、いったいどれだけの患者に治療の恩恵をもたらすのだろうか。遺伝性血液疾患である鎌状赤血球症の患者や家族らは、希望の裏に警戒心や懸念を持っているという。