研究者人生を棒に振りたくない多くの科学者は、新型コロナウイルスの自然発生説に異を唱えられずにいる。一方、声を上げる少数派は、真剣に議論すべきシナリオとして研究所流出説を排除すべきではないという。事実の解明は進むか。
重篤な副反応が報告されたことから、米国でジョンソン・エンド・ジョンソン製新型コロナワクチンの接種が一時中止となった。当局には速やかな再開の判断が求められる一方、データ不足によって安全性を検証する作業が困難になっている。
一部の国で新型コロナワクチン接種が進み、「ワクチン・パスポート」が現実的な問題として認識されるようになってきた。技術面および倫理面での複雑な事情により、システム開発者や政府は今や、大きな困難に直面している。
遺伝子療法によって、血友病をはじめとする遺伝性疾患を治療するための道が開けた。しかし、超希少な遺伝性疾患を抱える子どもの親たちは、日本円にして億単位の資金を自力で調達する必要に迫られている。
新型コロナウイルス感染症の大きな謎の一つに、一見するとあまり大差のなさそうな感染者が、同じ病原体に対して大きく異なる反応を示すことがある。DNA自動解析装置の発明者の一人として知られるリロイ・フッド博士は、今回のパンデミックが、すべての人に適確医療を提供するという彼のビジョンを実現させるための貴重な機会になると見ている。
米国で、ジョンソン・エンド・ジョンソン製新型コロナワクチン接種を一時中止するよう求める勧告が出された。米国ではすでに約680万回分の同社製ワクチンが接種されたが、6人の女性が深刻な血栓症を発症し、うち1人が死亡した。
世界保健機関(WHO)と中国の共同調査団が、新型コロナウイルスの発生源に関する調査報告書を発表した。原因は食用動物か、研究所からの流出か? 発生から1年経った今でも明確な答えは出ていない。
米国政府は、新型コロナのパンデミック対策のために投入した何十億ドルもの資金について透明性を確保していると主張しているが、実際に政府から資金を受け取っている企業は、法律の適用除外事由を利用して、旅費や人件費、さらには業務を請け負う資格についても非開示としている。
クリスパーを用いてヒト胚にゲノム編集を施し、赤ちゃんを誕生させるというタブーを犯した中国の若手研究者、フー・ジェンクイの事件をどのように読み解くかは、遺伝子編集の今後の展望を見極めるうえで重要となる。人類の未来にとって遺伝子編集が持つ意味を探る3冊の書籍の語り口を検証する。
新型コロナウイルスのパンデミック期間中、ネイルサロンの従業員は危険を冒しても働き続けざるを得ず、感染率の高さに直面したにもかかわらず、政府からほとんど支援を受けられなかった。
新型コロナワクチンの配布や接触追跡など、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおいて、大規模なテクノロジー・プロジェクトを成功させることの難しさが明らかになっている。状況を変えるには何をすべきか。専門家たちに話を聞いた。
米国疾病予防管理センター(CDC)による「実世界」での追跡調査で、mRNAワクチンを2回接種した場合、新型コロナウイルスの感染リスクを90%抑えられることがわかった。しかし、米国では英国型変異株が台頭してきており、雲行きは怪しい。
新型コロナワクチンが開発された今、超低温での保存を必要とするワクチンをいかにして世界の隅々まで行き渡らせるかが問題となっている。科学者やエンジニアは、ワクチン処方の変更と、コールドチェーンの変更の2つの方法で、解決策を探っている。
米国を通常の状態に戻すためには、約80%の人がワクチン接種を受ける必要がある。しかし、副反応に懸念を持ち、接種を躊躇する人たちも多い。ワクチンの供給が増える前に、これらの人々を動かす取り組みが必要だ。
イスラエルの研究者が、子宮外での哺乳類胚の培養記録を更新した。ヒト胚に応用できる可能性があるといい、倫理的な問題が山積みの「人工子宮」研究に影響を与えそうだ。
「ヒトの胚は14日以上培養してはならない」。近年のヒト胚研究の多様化と発展に伴い、過去40年に渡って遵守されてきたルールがついに緩和されようとしている。
ドイツやスペイン、イタリア、フランスをはじめとする欧州諸国で、アストラゼネカ製ワクチンの接種が一時的に停止されている。当局は、血栓が生じる可能性を懸念しての「予防的措置」と説明しているが、疑念と混乱が広がっている。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナワクチン接種を受けた人はマスクを着けずに小規模の集まりを再開できるとする新たなガイドラインを発表した。ただし、安全性と公正性については、いまだに疑問が残っている。
2020年3月以降、ほとんどの学校が閉鎖された米国では依然として、学校を全面再開する見通しが立たずにいる。国が示す指針には限界があるうえ、学校を早急に再開することのリスクをどう判断するか、意見が割れている。
接触追跡アプリが新型コロナウイルス感染症の拡大抑制にさほど効果を上げていないのはなぜだろうか。こうしたアプリが広く普及するにはテクノロジーに対する人々の信頼を構築することがカギとなるが、今回のパンデミックではその基盤がなかった。
新型コロナワクチンに対する需要は、供給量を圧倒的に上回っている。できるだけ多くの人にワクチンを行き渡らせるために、本来であれば2回接種が必要なワクチンを、1回目の人に優先的に接種するというアイデアが浮上している。
新型コロナワクチン接種を証明することでレストランやコンサートへの入場を許可する「ワクチン・パスポート」プログラムが、イスラエルで始まった。多くの国で同様のプログラムが検討されているが、イスラエルの経験には大いに学ぶべき警告が含まれている。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発した新型コロナワクチンが米国で承認された。すでに承認済みの2つのワクチンと異なり、接種が1回で済むうえ、保存しやすい利点を持つ。ただし、製造工程が複雑であるため、当分の間は供給量が限られる可能性が高い。
何百万人もの人々がトイレに流す汚水から、感染力の強い新型コロナウイルスの変異株の広がりを追跡できるかもしれない。米国の一部で実施されている下水検査は、感染拡大の防止に役立つのだろうか。
バイデン政権は就任後100日間で新型コロナワクチンを1億回分接種するという目標を立てている。目標達成には、ワクチンの割り当てや配布、追跡、接種に関与する寄せ集めのシステムや、一貫性のない政策を是正する必要がある。