パンデミックが始まってから2年が経った。事態は好転しつつあるが、それでもなお、新型コロナウイルスのパンデミックは終わっていない。
異例のスピードで進んだ新型コロナ・ワクチンの開発が注目を浴びる一方で、ファイザーは飲み薬の開発も急ピッチで進めていた。新しい次のパンデミックへの備えにもつながる可能性がある。
新型コロナウイルス従来株を意図的にヒトに感染させる「ヒトチャレンジ試験」が英国で実施され、その成果が発表された。ウイルスへの曝露から感染、発症の経過を観察した初の試みで、新たな知見が得られた。
まやかしが多いことで知られる育毛・養毛産業に最新の遺伝子工学を持ち込むべく研究開発に取り組むスタートアップ企業が登場している。細胞を遺伝子操作して再プログラミングすることで薄毛を治すという。
遺伝子編集されたブタの心臓が、世界で初めてヒトに移植された。現在のところ患者の術後経過は良好だという。
複数の研究チームの実験により、ファイザー製ワクチンの2回接種者が有する抗体の効果は、オミクロン株に対して大幅に低下することがわかった。ただし、3回目の接種により、ワクチンの予防効果が回復するとの結果も得られた。
メルクが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬であるモルヌピラビルについて、米国食品医薬局(FDA)の諮問委員会は承認を勧告した。数週間後にはファイザーが開発した新薬も評価される見込みだ。
新型コロナウイルスのオミクロン株については、発見からまだ間がないため、わかっていないことが多い。スイスのベルン大学の研究者たちが、ワクチンの有効性や、ウイルスの深刻さの度合いについて語った。
10年以上前に偶然が重なって発見されたある分子によって、アルツハイマー病や外傷性脳損傷などを治療できる可能性が明らかになりつつある。現在「ISRIB」と呼ばれるこの分子は、健康な人の認知機能を向上させることもできるかもしれない。
米国のスタートアップ企業であるコンセプションは、成人の細胞を卵子に作り替えることを目指している。成功すれば、年齢や性別を問わずに子どもを作れるようになり、生殖の常識が覆されるかもしれない。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」への警戒が強まり、緊急措置として各国で渡航制限などが実施されている。現時点で分かっていることは少ないが、再感染のリスクが高い可能性がある。
数年前のイーロン・マスクらの参入をきっかけに、脳機械インタフェース(BMI)分野の研究開発に資金提供が相次いでいる。事故や病気で身体が麻痺した患者向けの研究が主だが、巨額資金が動く背景には次世代コンピューター・インターフェイス実現への期待がある。
テック界の億万長者であるスティーブ・キルシュは、新型コロナに効き目のありそうな既存薬の治験に資金を提供していたが、エビデンスのない薬にのめりこみ、反ワクチン活動を展開した挙句、自身が任命した科学諮問委員会から見限られ、CEO職も辞することになった。
米国で、5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種が進められる可能性が高まっている。FDAの専門家委員会はすでにゴーサインを出しており、来週のCDCの諮問委員会で承認されれば、11月初旬にも接種が開始される。
遺伝子操作したブタの腎臓を、脳死状態の患者に移植する手術が成功した。実用化にはまだ課題が残るが、臓器移植を待つ人々を将来的に救える可能性がある。
米国の合成生物学企業であるギンコ・バイオワークスが9月に上場した。生物学界のインテルになると喧伝し、巧みなストーリーで投資家を熱狂させているギンコは、実際にどんな成果を残し、何を目指しているのか。
長らく休校していた米国の多くの学校で対面授業が再開した。学校の安全を守るために何をするべきか? 先行して再開して成功を収めた学区の事例から学べるポイントを紹介する。
光遺伝学や高度な画像テクノロジーの発達により、記憶の形成メカニズムに関する知見がもたらされた。記憶の可視化だけでなく、操作さえ可能になっている。
うつ病が発症する兆候を検出すると脳に電気刺激を与える装置を頭蓋骨内に埋め込むことで、うつ病の症状を大幅に改善できることを示す研究が発表された。従来の治療で効果のなかった患者に対する個別化医療として期待される。
人体を構成する臓器の中でも、脳は最も謎に満ちている。明らかになっていることはごくわずかで、まだ分かっていないことが圧倒的に多い。ヒトの脳に関する8つの最先端の研究を、観光ツアー形式でざっくり紹介しよう。
新型コロナワクチンの接種が進み、ワクチン接種証明の提示を条件に行動制限を緩和する動きが広がっている。どのような場所でワクチン接種証明が必要になるのか、証明書を格納できるスマホ用アプリにはどのようなものがあるのか。米国での動きをまとめた。
脳の遺伝子モザイク現象と、自閉症や統合失調症、アルツハイマー病などの精神疾患との関連性が明らかになりつつある。マコーネル博士は極貧の大学院生時代から20年以上、この分野の研究にキャリアを費やしてきた。
人間の心は、脳や体、周囲の世界とのやり取りによって継続的に作り出される。私たちの脳は体の調節をするために進化したのであり、思考や感情、感覚、その他の精神的な能力は、そうした調節の結果である。
米国では政府による顔認識システムの使用が拡大している。だが、失業給付金の不正受給防止に顔認識を利用したケースでは、困窮した市民が支援を受けられない事態も発生している。
3回目のワクチン接種(ブースター・ショット)の実施へ向けた準備が一部の国で進む中、いまだに1回目の接種すらままならない国も多い。