コペルニクスもビックリ、機械学習が地動説を導き出した
物理学な偉大な法則は、それ以前に人類が獲得した物理学の知識に基づいて発見されている。物理学の既存の知識に依らずに、新しい法則を発見することは可能なのだろうか。チューリッヒ工科大学の研究者らは、物理の実験データや観測データを用いた機械学習により、予備知識なしで物理法則を「発見」できることを示した。 by Emerging Technology from the arXiv2018.08.24
人類の偉大な発見と言われるような物理法則が何世紀にもわたって発見されている過程には、当時の傑出した思想家の影響が見られることが多い。この過程は科学の進歩に絶大な影響を及ぼした。物理法則の中には、以前の時代の知識なしには発見できなかったかのような印象を与えるものもある。
たとえば、量子力学は、当時のさまざまな卓越した数学的アイデアを利用して、古典力学に基づいて構築された。
だが、もしかすると、宇宙に関する人類の既存の知識に依らずに、物理法則を発見する方法が他にあるのかもしれない。
最近、スイスのチューリッヒ工科大学のラバン・アイテンとトニー・メトガーたちは、まさにそのような方法を開発し、そのまったく新しい方法を用いて物理法則を発見したという。この方法を利用すれば、物理法則のまったく新しい定式化を見つけられるかもしれないとしている。
まず背景情報を説明しよう。物理法則は簡潔な表現であり、精査することによって、より複雑な状況についての情報を導き出せる。振り子を動かして、未来のある時点で振り子の先端がどこにあるかを問うことを想像してみよう。この質問に答える方法の1つは、揺れる振り子の位置を測定することだ。測定した位置データを一種の参照表として使用すれば答えを導ける。だが、運動の法則を使えば、ずっと簡単に、適切な方程式のさまざまな変数に値を代入するだけで答えを出せる。こうした方程式が現実を凝縮した表現だと考えられるのはそのためである。
この話からすぐに思い浮かぶのは、ニューラル・ネットワークはどうやってこの種の法則を発見できるのかということだ。たとえば、揺れている振り子などの実験の観察値が与えられたとしよう。目標は、そのデータのより簡潔な表現を見つけることである。
アイテンとメトガーたちのアイデアは、データを機械に入力して、位置を正確に予測する方法を機械に学習させるというものだ。いったん学習 …
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