世界的に気温が上昇しているのは、周知の事実だ。新たな研究では、気温は7度近く上昇する可能性があるというが、全く気にしなくていい。
7度近い気温の上昇という数字が計算された論文についてはもう読んだことがあるかもしれない。
ネイチャー誌に投稿された論文では、地球は今後1000年(一般的な従来の予測を上回る年数)かけて温暖化する過程にあるというのだ。最悪の結果を受け入れようとする一部のニュースメディアは、ネイチャーのプレスリリースのみに基づいた予測結果を疑いもせず発表した。
研究には、素晴らしい部分もある。前回の記録ではたった2万2000年前までしか遡っていない(最後の氷河期の時代)が、今回は地球の平均地表温度を過去200万年にわたって示し、前回の最長気温記録をはるかに上回った。過去最長の平均地表温度のデータだけでも、気候科学者には役に立つだろう。
論文では、独自のデータで地球の地表温度と二酸化炭素の相対関係を推定しているが、賛否両論がある。ギズモードが指摘するように、研究は地球の気温と温室効果ガスの放射強制力との間に確立されている関連性が将来的に持続されることを前提にしている。研究の結論として、現在の温室効果ガス濃度に基づいて、間違いなく、気温が3〜7度も将来的に上昇するというのだ。
しかし、研究結果に妥当性がないという専門家もいる。アース・テクニカの取材を受けた、ペンシルベニア州立大学のリチャード・アリー教授は、研究者がネイチャーに投稿した予測は「予測できる数値の最高限度です。温暖化の原因が全て温室効果ガスによるものではないからです」といった。ギズモードの取材を受けた米国航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット所長は、もっとはっきり「単純に間違っています」と答えた。
重要なのは、地球の気温は上昇しているが、それほど劇的な変化ではないということだ。焦ってはいけない。
(関連記事:Nature, Gizmodo, Ars Technica)