KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
Open AI
カバーストーリー Insider Online限定
An AI-driven robot hand spent a hundred years teaching itself to rotate a cube

バーチャル環境で「特訓」
器用な動きを自己学習する
ロボットハンド

バーチャル環境での強化学習によってロボットを日常作業に対応させるアプローチが開発された。現実世界とのギャップを埋められれば、ロボットは自ら新たなスキルを習得できるようになるかもしれない。 by Will Knight2018.08.13

人工知能(AI)研究チームが、ロボットハンドに卓越した新たなスキルを与える、自己学習アルゴリズムのデモを公開した。コンピューター・シミュレーション内で100年に相当する時間(実際には数日)をかけて練習することで、立方体を器用に扱う方法を自己自習した。

このロボットハンドの俊敏さは人間の手とはまだまだ比較にならないレベルで、工場や倉庫で利用するにはまだあまりにも不器用だ。それでもなお、この研究は機械学習によってロボットの新たな能力を発見しようとしている。さらに将来、ロボットがバーチャル世界で新たなスキルを自己学習するようになり、ロボットのプログラミングや訓練のプロセスが大幅に短縮される可能性がある。

「ダクティル(Dactyl)」と名付けられたロボット・システムを開発したのは、シリコンバレーの非営利団体オープンAI(OpenAI)の研究チームである。研究チームは、英国企業シャドウ(Shadow)が販売しているロボットハンドや市販のカメラを使い、複雑なマルチプレイヤー・ゲーム「ドータ(Dota)」の対戦で実績を上げているアルゴリズムを使っている(「「AI対人間」チーム戦でもついに人間が負け始めた」を参照)。

このアルゴリズムには、「強化学習」として知られる機械学習の技法が使われている。ダクティルには立方体を動かして別の面を上に向けるという課題が与えられ、望んだ結果を得るための動きを試行錯誤を繰り返して見出した。

ダクティ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る