アマゾンのお勧め商品は
最安値とは限らない
最安値で商品を買うには、アマゾンがどのように商品を勧めているのか、ちょっと気を付ける必要がある。 by Jamie Condliffe2016.09.22
アルゴリズムがすべてだ。ホームページの表示内容から配送センターでの梱包作業まで、アマゾンではアルゴリズムがすべてを決めている。だが、新たな調査により、アマゾンのプログラムは必ずしも顧客の財布を優先して動作しているわけではないとわかった。
非営利の調査報道機関プロパブリカが、頻繁に購入される250点の商品を調査した結果、アマゾンがどのように商品購入を勧めるのかが判明した。想像通り、プログラムが「バイ・ボックス」(商品ページ右上にある「カートに入れる」ボタンのある領域)にデフォルトで入れるのは、アマゾン自身が販売しているか、アマゾン経由で販売・発送(フルフィルメント by Amazon)するアマゾンセラーの商品だ。
顧客の大半は、バイ・ボックスに入ったお勧め商品を購入しているのは明らかで、便利な機能に、多くのお客が取り込まれている。しかしアルゴリズムがバイ・ボックスに入れた商品の価格は、アマゾン内で購入できる最安値とは限らず、調査した250商品では平均で7.88ドル高く、最大20%高い場合もあった。
顧客が比較のために「商品価格+配送料」のリストを表示させると、アマゾンとフルフィルメント by Amazonに対応する商品の配送料金は無料扱いで並ぶ。アマゾンプライムの会員または2000円以上(米国では書籍は25ドル以上、他は49ドル以上)の商品を購入すれば無料だが、他の場合は購入手続き中に配送料が発生することに気がつく。すべての商品を配送料込みにすると、アマゾン自身が配送する商品のランキングは下がる。アマゾンはプロパブリカに自社の「幅広い商品と世界に通用する顧客サービス、そして迅速かつ無料発送」は、価格とともに顧客にとって重要だといった(つまり、価格は無料のまま掲載する、という意味)。
アマゾンの販売手法が非難されるのは、これが初めてではない。以前、DVDの変動価格が批判されるとすぐに元に戻した。最近では、アマゾンが発表した当日配達サービスは、貧困層や黒人の居住地区のプライムメンバーを置き去りにしているとして論争が起きた。
予想どおり、アマゾンはプロパブリカに自社のアルゴリズムがどう動作しているかの詳細は明かさなかった。実際、明かされることはないだろうが、カード明細でわかることだ。
(関連記事:ProPublica, “No Stores? No Salesmen? No Profit? No Problem for Amazon,” “Amazon Prime or Amazon Redline?”)
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- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。