KADOKAWA Technology Review
×
12/16開催 「再考ゲーミフィケーション」イベント参加受付中!
ニュース Insider Online限定
Given a satellite image, machine learning creates the view on the ground

衛星画像から地上の景色を機械学習で生成、地理学者を上回る精度

カリフォルニア大学の研究チームが、機械学習のニューラル・ネットワークを用いて、衛星写真を基に、地上の景色の画像を生成する手法を開発した。地理学者が地上写真を補間して土地の使用状況を推測する手法と比較したところ、同手法を上回る正確さの地上画像を生成できることがわかった。 by Emerging Technology from the arXiv2018.07.10

レオナルド・ダ・ビンチが、写真と飛行機が発明されるまで不可能であった詳細さで、イタリアのある区域の鳥瞰図を示すデッサンや絵画を描いたことはよく知られている。実際、そのような詳細をダ・ヴィンチがどうやって想像できたのか、不思議に思う批評家もこれまで大勢いた。しかし現在、研究者たちはこの逆の課題に取り組んでいる。地球の表面を撮影した衛星写真を使って、同じ領域を地上から見た景色を想像できないだろうか。そして、想像から作り出されたそうした人工的な画像はどれだけ確かなのだろうか。

カリフォルニア大学マーセッド校のクーチング・デンらによる研究が1つの答えを出してくれている。デンのチームは機械学習アルゴリズムを訓練して、上空から撮影した衛星画像を基に地上から見た景色の画像を生成させた。

デンらは「競争式生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Networks)」として知られる機械学習手法の1つを使っている。GANは、生成モデル(generator)および識別モデル(discriminator)とそれぞれ呼ばれる2つのニューラル・ネットワークで構成する。

今回のアルゴリズムでは、生成モデルが画像を作成し、識別モデルが学習した基準に対してその画像を評価する。たとえば、生成モデルが作成した画像がキリンにどれほど似ているかといった具合だ。識別モデルの評価に基づいて、生成モデルはキリンに似た画像の生成方法を徐々に学習する。

デンのチームは、地上の実際の画像と同じ場所の衛星画像を使って識別モデルを訓練した。そうすることで …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. 3 things that didn’t make the 10 Breakthrough Technologies of 2025 list 2025年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補3つ
  2. OpenAI’s new defense contract completes its military pivot オープンAIが防衛進出、「軍事利用禁止」から一転
▼Promotion 再考 ゲーミフィケーション
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る