さまざまな推定によると、26億人もの人々がデジタルゲームをプレイしているという。世界の総人口のうち、かなりの割合を占める人数だ。ゲームメーカーと研究者によって、人々がなぜ、どのようにゲームをするのかという研究が数多く進められている。ただ楽しみたいため、挑戦するため、リラックスするため、友達と触れ合うためなど、その理由はさまざまだ。
しかし、この研究からは明らかに、ある一群の人々が欠落している。障害を持つ人々だ。実際に、障害を持つ大勢の人々がゲームを楽しんでおり、その人数は年々増えているという話が以前にも増してよく聞かれる。だが、そうした人々の人物像や、彼らがゲームをする理由、直面する課題についてはあまり知られていない。それこそが、障害のある人々のためにゲームのアクセシビリティを向上させる上での大きな障壁となっている。
今日、その状況が、少なくとも部分的にではあるが変化している。英国ヨーク大学のジェン・ビーストン研究員らと、障害のある人々のためにビデオゲームのアクセシビリティの向上に取り組む組織、エイブルゲーマーズ・チャリティ(AbleGamers Charity、米国ウェストバージニア州)による共同研究のおかげだ。研究チームは障害を持つゲーマーらを調査し、どんなゲームをプレイするか、なぜゲームをするのか、どんな支援技術を使うのかを、その他の意見とともに答えてもらった。
研究チームは、エイブルゲーマーズ・チャリティを通じて身元を確認した230名のボランティアを調査した。このうち、6人の無回答者を除き、156人が男性、52人が女性、16人がノンバイナリー(男女に分類されない性)だった。
調査参加者は、多様な障害を持っている。半数以上が上肢または下肢の障害を持ち、4分の1が精神面の健康問題を抱え、19人が自閉症で、そのほかは視覚や聴覚の障害、学習障害な …