イノベーションの誕生は新しい規制や制度、法律を生み出してきた。たとえば、インターネットによって個人情報の利用やプライバシー保護に関する規制が生まれ、自動運転車の実用化によって新たな交通規則が必要とされている。デジタルガレージほか3社が6月19日に開催した「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2018 TOKYO」では、デジタルガレージ共同創業者でもあるMITメディアラボの伊藤穣一所長が、テクノロジーの進化がもたらす新たな規制の役割や仕組みづくりについて、さまざまな角度から語った。
インターネットとレギュレーション
「インターネットの世界では、当初、国やITU(国際電気通信連合)によって国や企業の都合に合わせた技術進化が進み、それに伴うレギュレーションが形成されていきました」。伊藤所長はインターネットの誕生とレギュレーションの関係をこう振り返る。
その後、PARCやDARPA、IETF、ICANN、W3Cといった団体がインターネットを普及させることを目的に、プロトコルや管理に関するレギュレーションを決めていった。さらに、シスコシステムズやスリーコム(3Com)といった、当時のベンチャー企業によってTCP/IPやイーサネット、ネットワーク・スイッチなどのインターネットを支えるインフラ技術が構築されていく。こうした過程を経て、現在の日本でも当たり前となっている、光ファイバーなどのインフラが通信会社から安価に提供され、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)がインターネット接続サービスを一般利用者に対して提供するというエコシステムが形成された。
つまり、インターネットは国による中央型の管理ではなく、さまざま団体による分散型の管理と、次々と参入したベン …
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