暗号通貨とイオス(EOS)のような新規暗号通貨公開(ICO)をめぐる狂乱に具体的なものは何もない。イオスの開発者は、構築すらしていないシステムの暗号トークンを販売して、2017年の1年間に40億ドルという目玉が飛び出るほどの資金を集めた。現在、イオス暗号通貨ネットワークはとうとう立ち上げ準備が整ったが、ブロックチェーンの稼働には予想以上の困難が伴い、その過程で新たなシステムの立ち上げはどうするのが最も良いかという重要な疑問が持ち上がった。
イオスという新しいブロックチェーン・システムはイーサリアム(Ethereum)よりもはるかに高速で効率の良いシステムになるはずだ。イーサリアムの設計は暗号通貨というだけではなく、ブロックチェーンに基づくスマート・コントラクトと呼ばれるコンピューター・プログラムを実行するプラットホームでもある。だがトランザクション処理は遅い。すべての口座残高とスマート・コントラクトの状態をイーサリアム・ネットワーク内のすべてのノードに記録しなければならないからだ。イオスはトランザクション処理をトークン所有者のコミュニティから選ばれたわずか21人の「ブロック・プロデューサー」に委任することで、毎秒数千件ものトランザクションを処理できると開発者は謳っている(イーサリアムは毎秒15トランザクション)。
ブロックワン(Block.one)というスタートアップ企業がイオスのソフトウェアを主に開発している。ブロックワンのダン・ラリマーCTOは以前、ブロックチェーンに基づく金融サービス・プラットホームであるビットシェアーズ(BitShares)と、暗号通貨を使って収益を確保するWebメデ …