世界中がボットに夢中になったのは、自律アシスタントが人間の生活で起きるさまざまな問題を解決するサポートをしてくれる、とフェイスブックが約束したからだ。約束は実際にはまだ果たされていないが、確かに急速に開発が進んではいる。
人間と「ビジネスをつなぐこと」(モノを買え、という意味だ)をサポートする対話式ボットをフェイスブックが大々的に発表してから 5カ月が過ぎ、同社は現段階の能力を誇張してしまった、と認めた。先週、メッセンジャー事業の責任者デイビッド・マーカスは、ボットが「あまりにも急激に誇大宣伝されてしまい」実際には期待されたほどの成果を出せていないと明かしたのだ。
実際、誇大に宣伝されていたが、宣伝に煽られておかしな開発企業が利便性をあまり考えずに開発してしまった、ともいえる。ブルームバーグによると、シティグループの調査では、フェイスブックのメッセンジャープラットフォームで使用可能なボット数の発表直後の増加は、アップルのApp Storeオープン時のアプリ増加数より70%多い。
ボットとアプリの対比は他にもある。フィナンシャルタイムス紙によると、エバーノートのフィル・リビン前社長は、今は宣伝目的だけのボットが氾濫している時期だと考えている。初期のiPhoneユーザーは、2007年にアプリ市場が似た状況だったのを覚えているだろう。
ボットはゆっくりではあるが、より利便性が高まる方向に向かっている。フェイスブックのボットは今や決済の受付ができ、理論上これで実際に何かを購入できる。一番乗りはドミノだ。今ならフェイスブックのメッセージアプリから高カロリーで悪名高いピザを注文できるのだ(やったね)。
一方で、Siriの生まれ故郷である研究所では人の機嫌を感知し適切に対応できるボットを開発中だ。機械学習により、システムは、たとえばユーザーが混乱している様子なら話す速度を落とし、不満そうなら違った言い方に変える。
確かに今のボットは人をいらつかせることがある。
(関連記事:Financial Times, Bloomberg, The Verge, TechCrunch, “Facebook Wants You to Chat with Business Bots,” “Customer Service Bots Are Getting Better at Detecting Your Agitation”)