KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
IBMが新ニューロチップを試作、低消費電力で機械学習を効率化
MNIST handwriting dataset
ニュース 無料会員限定
AI could get 100 times more energy-efficient with IBM’s new artificial synapses

IBMが新ニューロチップを試作、低消費電力で機械学習を効率化

ニューラル・ネットワークの処理をハードウェアで実行するチップをIBMが試作した。計算用の短期シナプスと記憶用の長期シナプスを利用することで、ソフトウェアベースのニューラル・ネットワークの1%の消費電力で、同程度の精度を実現できることがわかった。 by Will Knight2018.06.15

ニューラル・ネットワークは人工知能(AI)ブームの中核にある。データを猛烈な勢いで取り込み、完璧に近い精度で演説の書き起こしや画像の説明などの仕事をこなす(「10 Breakthrough Technologies 2013:Deep Learning」を参照)。

しかし落とし穴がある。それは、人間の脳の構造を大まかにモデル化したニューラル・ネットが通常、ハードウェアではなく、ソフトウェアで作られていることだ。従来のコンピューター・チップで動作するニューラル・ネットのソフトウェアは、実行に時間がかかる。

IBMは、ニューラル・ネットの重要な機能を直接シリコンで構築することで、効率が100倍になる可能性があることを示した。この方法で構築したチップは、今後数年で機械学習の効率を飛躍的に高める可能性がある。

ソフトウェアで作成したニューラル・ネットと同じように、IBMのチップは脳内のニューロン同士をつなぐシナプスを模倣している。このシナプス結合の強度を調整することで、ニューラル・ネットワークに学習させる。生体の脳では、時の経過に伴う成長または衰退という形で結合が調整される。結合の調整をソフトウェアで再現することは簡単だが、ハードウェアで再現することは至難の業であることがこれまでに分かっている。

IBMの研究者らは、微細な電子回路で作成したシナプスについて …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る