ミームはどこから生まれ、どう拡散するのか? その過程が明らかになる
ネット上で拡散される「おもしろ画像」は、いまや攻撃的・差別的なメッセージを広めるための「武器」となってしまった。悪意あるインターネット・ミームはどこから生まれ、どう広まっていくのか。英国の研究チームが明らかにした。 by Emerging Technology from the arXiv2018.09.21
ミーム(meme)という言葉は、生物学者のリチャード・ドーキンスが1976年に書いた『利己的な遺伝子』で使った造語だ。ドーキンスは著書で、アイデアは遺伝子の広がりと同じような経過をたどって複製され、進化し、大衆文化に入り込む可能性を示した。現在、ミームは、インターネットで広範囲に拡散する共通のテーマに基づく、画像の亜種のことだと一般的には捉えられている。ミームはユーモアや皮肉であることが多いが、攻撃的・人種差別的なメッセージを拡散して憎悪をかきたてる政治的メッセージの拡散手段にもなっている。
複数のオンライン・コミュニティは、アイデアからクチコミを作り出すこと、つまり「注目のハック(attention hacking)」あるいは「武器化(weaponizing)」と呼ばれる過程を目的とするミームの作成と拡散に集中している。レディット(Reddit)や4チャン(4chan)、ツイッターなどのWebサイト上のコミュニティは、ミームの作成や拡散に大きな影響力を持つようになった。
それにもかかわらず、ミームがどのように拡散するか、及ぼす影響はどのようなものかについて、ほとんど知られていない。
世界で初めてWeb上のミームの発生と拡散を測定する方法を開発したユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のジャンルカ・ストリンギニ講師らの研究のおかげで、その現状の少なくとも一部が解明されてきた。研究チームは開発した手法を使って、ミーム作成コミュニティ同士が影響を及ぼし合う仕組みを数値的に比較し、最も影響力のあるグループを突き止めた。
この手法の第1段階はミームを検出し、追跡する方法の開発だった。研究チームは視覚的に類似した画像を探し、さまざまなコミュニティでそれらの画像がどのように集まるかの比較を測定する。
視覚的に類似した画像を見つけることは、知覚ハッシュ(perceptual hashing)あるいはpハッシュ(pHashing)と呼ばれる技術を使えば比較的簡単だ。アルゴリズムを使って、画像を数値で記述するベクトルの集合に変換する。視覚的に類似した画像は、ベクトルまた …
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