KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
ニュース Insider Online限定
This is where internet memes come from

ミームはどこから生まれ、どう拡散するのか? その過程が明らかになる

ネット上で拡散される「おもしろ画像」は、いまや攻撃的・差別的なメッセージを広めるための「武器」となってしまった。悪意あるインターネット・ミームはどこから生まれ、どう広まっていくのか。英国の研究チームが明らかにした。 by Emerging Technology from the arXiv2018.09.21

ミーム(meme)という言葉は、生物学者のリチャード・ドーキンスが1976年に書いた『利己的な遺伝子』で使った造語だ。ドーキンスは著書で、アイデアは遺伝子の広がりと同じような経過をたどって複製され、進化し、大衆文化に入り込む可能性を示した。現在、ミームは、インターネットで広範囲に拡散する共通のテーマに基づく、画像の亜種のことだと一般的には捉えられている。ミームはユーモアや皮肉であることが多いが、攻撃的・人種差別的なメッセージを拡散して憎悪をかきたてる政治的メッセージの拡散手段にもなっている。

複数のオンライン・コミュニティは、アイデアからクチコミを作り出すこと、つまり「注目のハック(attention hacking)」あるいは「武器化(weaponizing)」と呼ばれる過程を目的とするミームの作成と拡散に集中している。レディット(Reddit)や4チャン(4chan)、ツイッターなどのWebサイト上のコミュニティは、ミームの作成や拡散に大きな影響力を持つようになった。

それにもかかわらず、ミームがどのように拡散するか、及ぼす影響はどのようなものかについて、ほとんど知られていない。

 

世界で初めてWeb上のミームの発生と拡散を測定する方法を開発したユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のジャンルカ・ストリンギニ講師らの研究のおかげで、その現状の少なくとも一部が解明されてきた。研究チームは開発した手法を使って、ミーム作成コミュニティ同士が影響を及ぼし合う仕組みを数値的に比較し、最も影響力のあるグループを突き止めた。

この手法の第1段階はミームを検出し、追跡する方法の開発だった。研究チームは視覚的に類似した画像を探し、さまざまなコミュニティでそれらの画像がどのように集まるかの比較を測定する。

視覚的に類似した画像を見つけることは、知覚ハッシュ(perceptual hashing)あるいはpハッシュ(pHashing)と呼ばれる技術を使えば比較的簡単だ。アルゴリズムを使って、画像を数値で記述するベクトルの集合に変換する。視覚的に類似した画像は、ベクトルまた …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る