教育への投資が自動化と戦う武器になる——MITのアシモグル教授
ロボットはAIは本来、賃金や労働需要を増やす「実現技術」のはずだ。だが、現実には人間の仕事を奪う「置換技術」となっている。 MITのダロン・アシモグル教授は教育システムの見直しが必要だと提言する。 by Elizabeth Woyke2018.06.12
私たちは皆、自動化によって多くの人々の生活が壊されないよう努める責任を負っている。
そう述べるのは、技術が経済に及ぼす影響について指摘している、マサチューセッツ工科大学(MIT)の経済学者ダロン・アシモグル教授である。
アシモグル教授は6月5日、マサチューセッツ州ケンブリッジでMITテクノロジーレビューが開催したカンファレンス「EmTech(エムテック)ネクスト」で講演した。アシモグル教授のメッセージの根幹は、ロボット工学と人工知能(AI)を利用して人間が最大限の利益を引き出すためには、社会は教育と福祉事業に投資しなければならないということである。「誰か個人の責任ということではありません。私たちが協力して取り組みべき課題なのです」と述べた。
アシモグル教授によるプレゼンテーションは、ここ数十年の技術革新が賃金を引き上げにつながらず、目立った形で生産性を向上することもできなかったこ …
- 人気の記事ランキング
-
- These AI Minecraft characters did weirdly human stuff all on their own マイクラ内に「AI文明」、 1000体のエージェントが 仕事、宗教、税制まで作った
- Google’s new Project Astra could be generative AI’s killer app 世界を驚かせたグーグルの「アストラ」、生成AIのキラーアプリとなるか
- Bringing the lofty ideas of pure math down to earth 崇高な理念を現実へ、 物理学者が学び直して感じた 「数学」を学ぶ意義
- We saw a demo of the new AI system powering Anduril’s vision for war オープンAIと手を組んだ 防衛スタートアップが目指す 「戦争のアップデート」