ロボットに仕事を奪われずに共存する秘訣は? 専門家が語る
階段を登ったり 、ドアを開けたりするロボットの驚異的な映像をよそに、ロボットたちはまだ、目前に迫る仕事乗っ取りのための準備を十分には整えてはいない。しかし、自動化の性能は急速に向上しており、未来の職業はロボットへの依存度が高まることが予想されている。人工知能(AI)、ロボット工学、教育にかかわる3人の専門家が、マサチューセッツ州ケンブリッジでMITテクノロジーレビューが6月4日に開催したカンファレンス「EmTech(エムテック)ネクスト」の壇上で、未来の職場における人間とロボットの関係について語った。
ロボットたちは今や、多忙な病院内でどのように看護師を支援するかとか、物で一杯の倉庫からどのように商品を選んで来るかなどといった作業のやり方を把握できる。しかし、こうした新しいテクノロジーを職場に配置する際には、人間の労働者がロボットと共に働くためのより良い方法を見い出さなければならないと専門家たちは強調する。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のロボット工学グループのリーダーであるジュリー・シャー助教授は、現在のロボットは「非常に限定的」な局面で使われているという。アマゾンが自社倉庫内でロボットを使用していると言っても、ロボットは人間とは物理的に隔離された空間で働いている。自動車工場の生産ラインのロボットは人間のそばで働いているが、人間と協働しているわけではない。
シャー助教授が指摘するように、人々はチームの中で働くのが得意だ。たとえば、サッカー場や手術室、あるいは引っ越し業者のトラックなどである。しかし、それですら練習を必要とする。 他の人間と協調して働こうとする場合、人々は(当然、ロボットも)、他者が考えていることを推測したり、次の動き …