アメリカ人が大好きなフットボール以外で、最新の気晴らしが、いっぱしのスポーツとして盛り上がっているのがドローンレースだ。
空中での優位性を小さな空間で競いあうのは新しい現象ではない。リモコン飛行機による空中接近戦は長く親しまれている。だが、ここ数年間で、テクノロジーは、この競争に3Dビューの形態でアドレナリンをドバドバと注いでいるのだ。
時速160km以上 で空を切り裂く小さくて機敏なドローンが、軽量、高解像度のカメラを搭載し、無線でパイロットに映像を送信できるようになった。 ヘッドマウントディスプレーにより、あたかも ドローンを操縦する人 がコックピットに座っているかのように感じられる。以下の映像を見れば、コックピットから見る眺めがどんなに爽快なものか味わえる。
友だち同士が週末に集まって森や廃墟でレースをする草の根的な趣味として始まったドローンレースは、突然その人気に火が着いた。米国には既にレーサー向けの大会があり、今年ドバイでは初の「ワールド・ドローンプリ」が開催された。優勝者は15歳のイギリス人パイロットで、賞金25万ドルを獲得した。
今では、イギリスの放送局スカイが米国を本拠にするドローン・レース・リーグに100万ドルを投資しており、イギリスでのイベント放映権を押さえている。リーグはESPNや7スポーツともTV放映契約を交わしているが、来年には米国以外にも進出し、ロンドンで最低1レースが開催される予定だ。確かに、ドローンレースは巡回興行になりつつある。まるでポケットサイズのF1のようだ。
しかし、一部の上級ドローン飛行士にとっては、単純なレースは既に魅力を失っている。最近のワイヤード特集で崇拝を集めるパイロット、カルロス・プエルトラスは、接近戦レースが主流になっているが、フリースタイル飛行での方がエキサイティングだと説明し、以下の目のまわる映像でデモンストレーションした。スノーボードやスケートボードにもある、ドローンレースの別視点だ。単純なスピードよりも、巧みな技能と離れ技が才能を示す。
というわけで、ドローンレースはモダンスポーツの魅力をすべてもっている。大金、テレビ放映、スピード、激しい競争……そして商業化を避けて、離脱する一群。今こそチャンネルを合わせるときだ。
(関連記事:The Guardian,Wired)