カリフォルニア州の住民は晴天に恵まれた春を楽しんでいる。その結果、太陽光発電所と建物の屋根に設置された太陽光パネルが、電力網に電力を過剰供給している。
問題は発電量が多すぎて電力価格の急落を招き、カリフォルニア州の送電網運用機関が再生可能エネルギー発電所に発電抑制を要求していることだ。4月、カリフォルニア州の太陽光発電所と風力発電所は、運転停止または運転抑制でおよそ9万5000メガワット時の電力量を抑制した。これは3000万世帯以上の1時間の消費電力をまかなうのに十分な電力量で、同州の電力抑制量としては過去最高だ。
太陽光発電による過剰供給が発生しているのは、近年、カリフォルニア州が膨大な量の再生可能エネルギー発電力を得たからだ。カリフォルニア州は2030年までに二酸化炭素を排出しない電力源で全電力の半分をまかなうという政策目標を掲げており、その達成に向けた努力の結果だといえる。今後数年、送電網への電力供給がさらに増加し、このままのペースでいくと、予定より10年早く目標を達成することになる。
カリフォルニア州は最近、新築住宅に対して屋上太陽光パネル設置を義務付ける新しい規制を導入した。この新規則が問題をさらに悪化させるだろう。電力需要が減少しても、太陽光電力供給は増加するからだ(「高すぎるコスト、カリフォルニア州の太陽光パネル義務付けに疑問」参照)。
クリーン・エネルギーの増加は歓迎すべきはず
気候の先行きや二酸化炭素排出量削減の点では、間違いなく素晴らしいニュースだ。しかし、その成功は電力システムに、経済的・物理的負担をかけるという現実的な大きな課題も生み出している。
経済的・物理的な制約が、電力セクターを見直すための広範囲な取り組みを台無しにし、再生可能エネルギーのさらなる導入に水を差すことになり得る。実際、その影響はすでに出ており、カリフォルニア州では新しい太陽光プロジェクトによる発電の供給経路が詰まっている原因になっている。
再生可能エネルギーによる発電を強化する上で、多くの国や地域が同様の成 …