参考文献
「多層ニューラルネットワークとツリー検索による囲碁の習得」
デビッド・シルバー他共著
2016年1月18日Natureに掲載
人工知能 (AI)の歴史では、初期に意欲的なスケジュールで成功が予測されたが、その後残念な結果が示された。そのため、グーグルのディープマインドが開発したプログラムが、チャンピオンレベルの囲碁プレイヤーを倒せたのは、心強いニュースだった。こんな偉業は十年以上不可能だと思われていた。 囲碁は、ゲームプレイの人工知能 (AI)システムにとって究極の挑戦とされていたが、プログラムに携わる研究者は、このマイルストーンが想像以上に重大だと記者団に以下のように語った
「私たちの目標は、いつか自分たちの方法で、医療診断から気候モデリングに至る社会の最も差し迫った問題に対処できるようになることだ」
2016年のパーソナルチャレンジ:シンプルな人工知能(AI)
マーク・ザッカーバーグ、2016年1月3日
平凡なプログラマーが新年の抱負でバーチャル個人アシスタントを構築することだといっても、ニュースにはならないだろうが、億万長者でフェイスブックのCEOが抱負として掲げれば注目される。 フェイスブックは、人工知能研究に多額の投資をしている。ザッカーバーグCEOのビジョンである「映画『アイアンマン』に出てくるジャーヴィスような」システムは、フェイスブックの音声認識における最新の開発に組み込まれる予定だ。 目標は、簡単な命令や顔認識で自宅を制御する(たとえば、友人や家族が鍵がなくても出入りできるようにする)ことだ。
職業の未来:テクノロジーはいかに人間の専門家の仕事を変えるのか
リチャード・ジュスキント、ダニエル・ジュスキント共著
2016年1月1日オックスフォード大学出版局発行
エキスパートシステムが、医療や法律上のアドバイスを提供したり、建物の計画を作成したり、生徒を教えたりできるようになっている。著者は、この傾向が進めば、エクスパートシステムや他の人工知能テクノロジーは、21世紀のホワイトカラーの職業に影響を与えると予測している。20世紀に自動化でブルーカラーの仕事が変わったのとよく似ている。 これらの変化を見越して、専門知識がいかにして作られ、社会の中でどのように分配されるかについての根本的な見直しを提案している。
「この男は、人工知能(AI)をもっと人間的にできるのか?」
ウィル・ナイト著
MIT Technology Review、2015年12月17日
ニューヨーク大学のゲイリー・マーカス教授は、人工知能に対する従来のアプローチでコンピューターに大量のデータを送り込む代わりに、人工知能をより知的に動作するように訓練している。マーカス教授は乳児や子どもが概念を聞いて覚える様子を近くで観察している。テクノロジーレビューのAI担当者であるウィル・ナイトは、マーカス教授のスタートアップ企業であるジオメトリックインテリジェンスが、複雑な環境で従来の深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムよりも柔軟なシステムを開発している方法を追っている。
「確率的プログラムの誘導を介した人間レベルの概念学習」
ブレンダン・M・レイク他共著
2015年12月11日サイエンス誌掲載
チューリングテストは、通常、AIシステムのための会話型試験ととらえられているが、ニューヨーク大学、トロント大学、マサチューセッツ工科大学の研究者のレポートによれば、新しい深層学習アルゴリズムは、視覚的なチューリングテストにパスし、アルファベットの文字を人間が書いたものと区別がつかないように書けた。 このアルゴリズムでは、研究者は、機械学習アルゴリズムが通常必要とする何百万もの訓練データからではなく、分類タスクにおける単一の例から学習できるシステムを作成した。
ラビンググレースの機械:人間とロボットの間の共通性の探求
ジョン・マーコフ著
2015年8月25日、エコ(Ecco)出版
ニューヨーク・タイムズ紙のピューリッツァー賞受賞サイエンスライターであるジョン・マルコフは、最新の著書で、戦後最初の産業用ロボットによる自動化の台頭から、職場、公共スペース、住宅に至るまで、これまで以上に普及してますます高度になった機械の変遷を描いている。 マーコフは、特にグーグルやアップルといった組織の機械の背景にある心理に特に焦点を当て、グーグルのロボット工学部門の元トップであるアンディ・ルービンのような特定のタスクにおいて人間を置き換えるためにロボットを構築しようとする人々と、Siriの開発者であるトム・グルーバーのように、日々の生活の中で人間の知性を増強するような知的な機械の開発を目指す人々の間を区別する方法を模索している。
「人工知能に対する我々の恐怖 」
ポール・フォード著
2015年2月11日、MIT Technology Review掲載
オックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロム教授が2014年に書いた 超知能(Superintelligence)のアイデアを受けて、作家のポール・フォードが、暴走したAI機械が自己意識するようになり、自分の利益のために行動するようになることを恐れるのが妥当なのかどうかを調べている。 AIコミュニティの著名なメンバーは、これらの不安が、基本的な誤解に基づいていると主張している。その誤解は、研究者が知覚力機械のようなものの達成にどれだけ迫っているかに関してだ。 しかし、機械の開発にまだまだ長い道のりがあるとしても、その目標に向かって取り組んで研究者が問題を予測しなければならないし、可能であればその問題を抑制しなければならないと主張する人々もいる。
自律兵器に関する公開書簡
2015年7月18日フューチャーオブライフ研究所(Future of Life Institute)掲載
世界のトップ科学者とAI研究者3000人以上が署名した公開書簡では、人間の介入なしに、慎重な人間の制御を超えてターゲットを選択し、攻撃する自律兵器の禁止を求めている。 手紙の著者は、戦争の前線から人間を遠ざける利点があることは認めるが、今後数十年で「グローバルなAIの軍拡競争」が起こり、最終的には人類に害を及ぼすだろうと主張している。
「有名な人工知能(AI)予測の間違い、洞察、教訓」
スチュアート・アームストロング他共著
2014年6月24日実験的、理論的人工知能ジャーナル(Journal of Experimental & Theoretical Artificial Intelligence)掲載
AIの分野では、機械が人間レベルの知能に近いものを示すようになる正確な時期について、一連の注目すべき予言がなされていた。 この論文では、1956年のダートマス大学におけるAI設立会議で出された、わずか10名の科学者がわずか2カ月間でシミュレートされた知能への「重要な進歩」を達成できるとする主張に始まる多くの有名な予測の中からいくつかを分析している。 著者は、1999年に出版されたレイ・カーツワイルの著書『精神的機械の時代(The Age of Spiritual Machines)』のアイデアを、数十の検証可能な予測に分解し、約50%が正しかったと計算している。
人工知能 人類最悪にして最後の発明
ジェームズ・バラット
2013年10月1日、トーマス・ダン出版(Thomas Dunne Books)発行
この本では、AI研究を長年にわたり追ってきた著者が、自己意識を持つ機械が、エンジニアが意図したとおりに好意的であるかどうかを尋ねている。 コンピューター知能が必然的に予測不可能であり、人間にとって不可解であることに着目し、「我々は、超知能(superintelligence)が、人間の知恵や知的発達に関連した一般的な最終価値を必ず共有すると、軽率に思い込むことはできない」と、バラットは主張している。
2016年中のイベント
ロボット工学と人工知能に関する国際会議
2016年 4月20~22日、ロサンゼルス
icrai.org
人工知能や統計に関する国際会議
2016年5月9~11日、カディス(スペイン)
aistats.org
Webとソーシャルメディアに関するAAAI国際会議
2016年5月17~20日、ケルン(ドイツ)
icwsm.org
分散コンピューティングと人工知能に関する国際会議
2016年6月1~3日、セビリア(スペイン)
dcai-conference.net
機械学習に関する国際会議
2016年6月19~24日、ニューヨーク
icml.cc/2016
人工知能の不確実性に関する会議
2016年6月25-29日、
ニューヨーク
auai.org/uai2016
人工知能に関する国際合同会議
2016年7月9~15日、ニューヨーク
ijcai-16.org
計算知能に関する電気電子技術者協会(IEEE)世界議会
2016年7月24~29日、バンクーバー(カナダ)
wcci2016.org
人工知能に関する欧州会議
2016年8月29日~9月2日、ハーグ(オランダ)
ecai2016.org
神経情報処理システムに関する会議
2016年12月5~10日、バルセロナ(スペイン)
nips.cc/Conferences/2016
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