「DOOM(ドゥーム)」は、長い人気を誇る、大成功したコンピューターゲームのシリーズの1つだ。1993年に発売され、1000万本以上を販売した今でも人気がある。プレイヤーが宇宙の海兵隊員となり、さまざまなデーモンやゾンビと戦って生き残る、一人称(ファーストパーソン)タイプのシューティングゲームだ。
DOOMは、MS-DOSパソコンにおける3次元コンピューター・グラフィックスの先駆者である。また、ネットワークを介して複数の人間が一緒に遊べる「マルチプレイ」をもたらし、プレイヤーが独自の「ゲームレベル」を作り上げることも可能にした。公式なものとプレイヤーが作成したものを合わせれば、膨大な数のDOOMレベルがあり、それらは現在オンラインで無料で入手できる。これは調査研究を待つ巨大な全集のようなものだ。
膨大なDOOMレベルは興味深い可能性を提起する。DOOMレベルのデータを使って深層学習アルゴリズムを訓練すれば、人間が称賛せずにはいられないような新しいDOOMレベルを自動的に創造できるのではないだろうか?
そして今日、イタリア・ミラノ工科大学のエドアルド・ジャコメーロらの研究のおかげで、この問いへの回答が得られた。ジャコメーロたちは、深層学習によって人間を楽しませるDOOMレベルを自動的に作り出すことができといい、この手法はゲームのコンテンツ作成方法を変える可能性を持つという。
ジャコメーロたちのグループが用いた手法は、どちらかと言えばストレートなものだ。まず、DOOMおよびDOOM2のすべての公式レベルと、DOOMコミュニティが作り上げた9000種類以上のレベルが含まれる「ビデオゲーム・レベル・コーパス(Video Game Level Corpus)」から …