KADOKAWA Technology Review
×
【3/14東京開催】若手研究者のキャリアを語り合う無料イベント 参加者募集中
複合現実をもっと身近に、ソーシャルにするARスタートアップ
Ubiquity6
ニュース 無料会員限定
Ubiquity6 lets your friends visit your augmented reality

複合現実をもっと身近に、ソーシャルにするARスタートアップ

現実世界にある広場にバーチャルな直物を植え、みんなで水をやったりして育てられる。スタートアッップ企業「ユビクリィ6(Ubiquity6)」が目指しているのは、そんなスマホアプリだ。 by Rachel Metz2018.06.24

サンフランシスコの繁華街の中心にあるオフィスタワーの20階の片隅で、デジタルの猫やネズミがあなたを待っているかもしれない。

私は、拡張現実(AR)関連スタートアップ企業ユビクリィ6(Ubiquity6)のオフィスに、スマホ用アプリ「ユビクリィ(Ubiquity)」を使って猫やネズミを連れて行く。この夏、アンドロイドやiOS向けに発売される予定のこのアプリは、まだ開発の初期段階だが、現実の世界にバーチャルな物体を加え、他の人も自分のスマホの画面を通じて、見たり遊んだりできる。白い猫や灰色のネズミ、あるいはソファの上に浮かんだ「レイチェルがここにいた」などと書いた大きな紫色のメッセージを現実の場所に残しておくと、あなたがいなくなった後も消えず、後で戻って来て遊ぶことができるのだ。

ユビクリィ6の共同創業者であるアンジュニー・ミダー最高経営責任者(CEO)は、要するにこれはバーチャルな物体を物理的空間に置いて、後で友人が見つけてやりとりができるアプリなのだ、と説明する。

バーチャルなバスケットボールをバーチャルのバスケットリングに放り込む。デジタルのケーキの塊をばらまいて、お腹をすかせたライオンにがつがつ食べさせる。誰かに見つけてもらうために自分の写真を残しておくユビクリィではそんなことができる。スマホの電源を切っても、またアプリを起動すれば、そこにバスケットリングやライオンや写真が残されている。奇妙でかっこよく、恐らくこれがARの近い将来ではないだろうか。

デジタルと現実を結び付けるという考え方はずっと前からあったが、ポケモンGOのようなアプリのおかげもあり、近年ではスマホによるARがほぼ主流になってきた。今やアップルやグーグルは、ARアプリを構築するよう開発者たちを急がせている。マイクロソフトの「ホロレンズ(HoloLens)」やマジックリープ(Magic Leap)の「マジックリープ・ワン(Magic Leap One)」(未発売)などのヘッドセットは今のところ開発者向けであり、多くの人々にとっては、しばらくの間、スマホがこの種の現実とバーチャルの混合を体験する手段となるかもしれない。

ミダーCEOは、クライナー・パーキンス・コーフ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. AI crawler wars threaten to make the web more closed for everyone 失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 好評につき第2弾!研究者のキャリアを考える無料イベント【3/14】
  3. From COBOL to chaos: Elon Musk, DOGE, and the Evil Housekeeper Problem 米「DOGE暴走」、政府システムの脆弱性浮き彫りに
  4. What a major battery fire means for the future of energy storage 米大規模バッテリー火災、高まる安全性への懸念
  5. A new Microsoft chip could lead to more stable quantum computers マイクロソフト、初の「トポロジカル量子チップ」 安定性に強み
▼Promotion
U35イノベーターと考える 研究者のキャリア戦略 vol.2
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る