50億人が影響、気候変動で増大する熱波にどう備えるか?
人的要因による気候変動に伴い、異常気象による猛暑は今後、より頻繁に発生するようになり、被害は増大するだろう。極端な気温が予測される地域では、熱波に襲われた際の行動計画などの対応策を決めて、被害を軽減するために準備をしておく必要がある。 by James Temple2018.05.31
熱波は世界で最も過酷な自然災害の1つだ。米国では、熱波による死者の数はハリケーンと竜巻、地震を合わせた人数より多い。人的な要因による気候変動の頻度と強度が増すに伴い、熱波による被害は拡大する一方だ。
私たちはこれから先、殺人的な熱波に対し、どのような備えができるだろうか?
良いニュースがある。一続きの猛暑や急激な寒波はかなりの部分、予想が可能だという。そして、「極端な気温に対して早期に行動を取ることで、世界中の生命が救われることが示された」と学術誌エンバイロンメンタル・リサーチ・レターズ(Environmental Research Letters)に5月2日付けで掲載された報告書に記されている。
研究者たちは天候予測モデルを分析した結果、50億人近い人々が、極端な高温が予測される地域に住んでいることが分かったという。これは少なくとも、早期警告システムと行動計画を確立するチャンスである。研究によると、熱波に襲われたときの対応策として、飲料水の供給や冷却シェルターの設置、高齢者をはじめとする被害を受けやすい市民の安否確認などが考えられるという。
報告書の第一著者で赤十字・赤新月社気候センター(Red Cross Red Crescent Climate Centre)の気候科学チームを率いるエリン・コフラン・デ・ペレス局長は「世界中の熱波および寒波から生じる多 …
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