KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
無言で会話、ピザも注文 MITメディアラボ開発の新ガジェット
MIT Media Lab
ニュース 無料会員限定
Say goodbye to Alexa and hello to gadgets listening to the voice inside your head

無言で会話、ピザも注文 MITメディアラボ開発の新ガジェット

声に出さなくても会話ができ、ピザの注文もできるガジェットをMITメディアラボの研究者が開発した。まるで身体能力を拡張してインターネットに直接つながっているような感覚が得られるガジェットだ。音声操作やスワイプは時代遅れになるかもしれない。 by Rachel Metz2018.06.05

2018年の時点では、ガジェットを操作するには話しかけなければならない。だが、近い将来、唇を動かす必要すらなくなる。

MITメディアラボの大学院生アルナフ・カプルが開発したオルターエゴ(AlterEgo)という名前の試作機は、すでにこれを実現している。オルターエゴは、プラスチックを3Dプリンターで成形した装置で、見た目は白くて細いバナナのようだ。顔の片側に装着して、テレビのチャンネルを切り替えたり、電球の色を変えたり、チェスの達人技を使ったり、複雑な数学の問題を解いたりできる。カプルはつい先日、米CBSのドキュメンタリー番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で、一言も話さず指も動かさずにピザを注文する様子を披露した。人間同士が無言でこっそりコミュニケーションをとるのにも使える。

オルターエゴを使うと「サイボーグになったような感覚はありますが、違和感はほとんどありません」とカプルはいう。このデバイスは研究プロジェクトの一環として作ったものだ。

実のところ、オルターエゴは心を読み取っているわけではない。黙読したり考えたりするとき、人間の顔面や首の筋肉がわずかに動く際に出る微弱な電気信号を拾う仕組みだ。オルターエゴに付いている電極が電気信号を捉え、Bluetooth経由でコンピューターに送信する。コンピューター内で信号をアルゴリズムで解読してから、コマンドを実行する(たとえば「明かりをつけて」など)。内蔵の骨伝導式ヘッドフォンでフィードバックを返す仕組みもあり、同じ機械を装着した人たちが言いたいことをコンピューターによる音声合成で伝えてくれる(耳を塞がないので周囲の音も聞こえる)。

身体が直接インターネットにつながっている感覚だが、装置を外してしまうと「感じとしては、すぐに普通の人間に戻れます」 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る