日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車は4日、スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)に自律型移動手段の研究に関して5000万ドル均等に配分する形で、5年間にわたって資金を投資すると発表した。人間から運転方法を学習したり、人間や他の車が路上でどう行動するか予測したり、人間とうまくやり取りしたりする方法などを中心に研究する予定だ。
スタンフォード大学は意思決定や推論、センシング、知覚といったトピックを研究する予定で、MITの研究者はスマートなユーザーインターフェイスや、機械が、人間がどのように運転しているのかを理解できるように、人間から情報を収集し、分析する予定だ。
プロジェクトを率いる予定のギル・プラットはロボット研究者で、米国国防先端研究計画局(DARPA)の元プログラム・マネージャーであり、「DARPAロボティクス・チャレンジ」を組織した人物だ。プラットは、自動車以上に人間の安全や自律を確立することが人工知能研究の全体的なゴールだと語った。
MITのCSAIL(コンピューター科学・人工知能研究所)のダニエラ・ラス所長は、自身のグループの優先課題は「決して衝突を起こさない自動車を作ること」だと語った。
トヨタは4日、車がよりスマートで有能になっても、ドライバーは運転操作に関わり続けると繰り返し語り、完全自律型自動車をシリコンバレーの路上で走らせるグーグルとは異なる方向性を示した(”Toyota Unveils an Autonomous Car, but Says It’ll Keep Drivers in Control”参照)。
トヨタで研究開発プログラムの最高責任者を務める伊勢清貴専務は4日、「無人運転車ができるまでには非常に長い時間がかかる」と考えていることを、通訳を通じて語った。しかし伊勢専務は、トヨタは自律型移動手段という目標を追い続け、その過程では、運転支援のために開発されたテクノロジーを車に応用するとも述べた。