2014年に投資顧問業のクリス・バーニスクが本格的に暗号資産の評価を始めた当時、ウォール街の誰一人としてビットコインなどのシステムについて話をしようとしなかった。ネットワークを介して取り扱われる資産などに価値は無いという考えだった。新規暗号通貨公開(ICO)によって暗号通貨市場は大きく拡大した。「こんな資産に価値は無いと言っていた人たちが、今では、暗号通貨は実際どのくらいの価値があるのか? と尋ねてきます」とバーニスクはいう。
その質問に答えるのは簡単ではない。暗号通貨の価値を算出する考え方はまだまだこれからの新興分野なのだ。複雑にしている要素は、暗号トークンの種類はいくつかあり、通貨と類似するものもあれば、どちらかというと商品に近いものもあるからだ(「暗号通貨はすべて有価証券? スイスと米国、規制方針の違い」参照)。しかしバーニスクのような暗号通貨の先駆者のおかげで、財務アナリストはブロックチェーン・ネットワークの潜在的な値打ちを判断をするための実用的なツールを使い始めている。
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