暗号通貨の分野をかじったことがある人なら誰でも知っていることだが、より良いブロックチェーンのシステムを作る方法についてのオタク的論争は掃いて捨てるほど行なわれている。だが、暗号通貨システムに問題が生じた時、論争ははるかに面白いものになる。
例として、「ナノ(Nano)」というあまり知られていない暗号通貨の開発者に対する新たな訴訟について見てみよう。
2018年2月12日、ビットグレイル(BitGrail)というあまり知られていないイタリアの暗号通貨取引所が、「不正取引」によって1700万ナノ(かつて「ライブロックス(Raiblocks)」と呼ばれたこともあった)のトークン、時価にして約1億7千万ドル相当が不足したとWebサイト上で発表した。それから2カ月以上が過ぎたが、だれが過ちを犯したかは未だ明らかになっていない。ビットグレイルのセキュリティに問題があったのか、それともナノのソフトウェアに問題があったのか? 互いに責任をなすりつけあっている。
そこに登場したのが「被害者救済フォーク」だ。お金を取り戻そうとするナノのユーザーたちは、自分たちで決着をつけようと、ナノの開発者たちを法廷へ引っ張り出した。集団訴訟は今月連邦裁判所に申し立てられ 、その目標とするところは前代未聞の内容である。裁判官を説得して、ナノ開発者たちに対して …