KADOKAWA Technology Review
×
脱税か? 過払いか? 暗号通貨への課税をめぐって米国で混乱
John Malta
ニュース 無料会員限定
America’s cryptocurrency tax policy is confusing everyone

脱税か? 過払いか? 暗号通貨への課税をめぐって米国で混乱

暗号通貨に関する米国の課税方針は不明瞭だ。そのスキをついて脱税に走るか、まじめに納税して税を過払いするか。現行法制度下での暗号通貨の取引は難しい問題をはらんでいる。 by Mike Orcutt2018.05.16

確定申告をするたびに頭痛がする人なら、少なくとも米国内国歳入庁(IRS)がどこまで課税するかを明確にするまでは、暗号通貨には手を出したくないと思うかもしれない。現在の規則では法的なグレー・ゾーンが広いため、地雷原をさまよっているようなものだからだ。

課税方針が不明瞭なのは今に始まったことではない。しかし、暗号通貨は現在広く普及している。 新規暗号通貨公開(ICO)ブームや2017年のビットコイン相場の急騰のおかげで、オンライン上に流れる通貨が大幅に増加している。暗号通貨の取り扱いに頭を抱えるユーザー数も急上昇しているのだ。

2014年のIRSの方針(PDF)によると、暗号通貨は資産と見なされる。売却によって得られる利益(キャピタル・ゲイン)が所得税の対象となる。暗号通貨の購入や所有自体には課税されない。だが、所有する暗号通貨の時価額が上がった後で、デジタル通貨を使って何かしらのモノを買うと、たかがコーヒー1杯でも売却益が発生したと見なされ課税対象となる。ということは、暗号通貨でモノを買うと、そのモノの金額と暗号通貨を初めて買ったときの時価と、使ったときの時価の差額を報告しなければならない。利益が出たら、税金を払う必要がある。喜ぶ人などい …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る