自動運転の「眼」で価格競争、早期量産で独占狙うルミナーの野望
自律自動車に欠かせないハードウェア「ライダー(LIDAR)」を製造するスタートアップ企業ルミナーは、これまでにない規模でライダーを生産する計画を発表した。新型ライダーは価格を大幅に下げ、すべての試験車に搭載できる数を供給するという。 by Jamie Condliffe2018.05.23
新型ライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)センサーは、数多くの無人乗用車が公道を高速走行するのに必要な感知能力を備えている。
ライダーは、ほとんどの無人乗用車にとって周囲の世界を感知するための主要な方法となった。その方法とは、ライダーが照射し周辺の物体が跳ね返したレーザー光から、周囲の3Dマップを作成するというものだ。
何年にもわたりライダー産業の先頭を走ってきたのは、最も高価な超高解像度センサーを作ったベロダイン(Velodyne)だ。だが、自律自動車の研究が急速に成長したことで、他の企業もライダーに取り組み始めた。スタンフォード大学を中退したオースティン・ラッセルが設立し、2017年、社外秘で開発してきた新型ライダーを公表したルミナー(Luminar)というスタートアップ企業もその1つだ。
ルミナーのテクノロジーは他のライダー・システムとは異なる。長距離を見渡し、暗い物体を認識できるように高出力で動作させるため、従来のライダーよりも長い波長のレーザー光を使う。特定の領域を感知したければ拡大もできる。
だが機械式ミラーシステムと高価なヒ化インジウムガリウム半導体を使用するルミナーのセンサーは、製造が困難で、生産コストもかかる。初期の装置一式のコストは少なくとも数万ドル、組み立て作業 …
- 人気の記事ランキング
-
- China built hundreds of AI data centers to catch the AI boom. Now many stand unused. AIデータセンター 中国でバブル崩壊か? 需要低迷で大量放置の実態
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
- AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
- How 3D printing could make better cooling systems 3Dプリントで製造の制約を解放、高効率な熱交換器が設計可能に
- Brain-computer interfaces face a critical test 使用者は世界100人未満、 脳インターフェイスは 本当に実用化できるか?