良かれ悪しかれ、人々は「スマート・コントラクト」という言葉でつまずいているようだ。ブロックチェーン上の自動取引に使われるスマート・コントラクトは、まだ非常に馴染みが薄いテクノロジーだ。そのため、その定義には誰もが今ひとつ納得していない。それにもかかわらず米国のいくつかの州では、スマート・コントラクトを成文化して法律に組み込もうという動きが加速しつつある。世の中の動向からすると、あまりスマートなことではないかもしれない。
3 月に入って、テネシー州がスマート・コントラクトをわざわざ法令化した2番目の州となった。アリゾナ州が昨年、同様の法案を通している。どちらの場合も議員たちは、電子的な書式と署名の使用を管理する既存の法令を改定し、「ブロックチェーン」(アリゾナ州の例)、「分散型台帳」(テネシー州の例)、「スマート・コントラクト」といった用語を明示的に含めている。他のいくつかの州も同様の変更を検討している。
米国の州はなぜ、いきなり暗号通貨を好きになったのだろうか? こうした法案は、投資や起業家を引き寄せようと、暗号通貨支持のポーズを取っている以上の何物でもないように見える。たとえばテネシー州の新たな法律では、法律上の契約は「スマート・コントラクトに基づいて執行される」という理由だけで無効にされることはないと規定されている。 …