自動運転車やアルファ碁(AlphaGo)の大成功といった人工知能(AI)における驚くべき進歩の具体例は数知れないが、テクノロジーの達成度はいまだ非常に限られており、「自律」の域からはほど遠い。実際、アレン人工知能研究所のオレン・エツィオーニCEO(最高経営責任者)に言わせると、今日の機械学習システムは「AIサヴァン症候群」だという。
エツィオーニCEOは3月26日、サンフランシスコで開催されたMITテクノロジーレビュー主催の年次カンファレンス「EmTechデジタル」で、自動運転車や音声認識は機械学習が基礎となっていると説明した。エツィオーニCEOによると、今日でも機械学習の99%は人間の作業に基づいているという。
エツィオーニCEOは、機械学習には大量のデータが必要で、そのデータすべてには「これは犬」「これは猫」といった具合にラベルづけが必要だと指摘。その後、人間が適切なアルゴリズムを用意しなければならない。これがすべて手作業によるものなのだ。
AIは「何か謎めいたものでも、魔法のようなものでもないのです」とエツィオーニCEOはいう。「現在の能力を上回るには、膨大な研究が必要となるでしょう」
今日のAIの …