アマゾンの未来は、MARS(火星)から見える。
ここでいうMARSとは、機械学習(machine learning)、ホーム・オートメーション(home automation)、ロボット工学(robotics)、そして宇宙開発(space exploration)を意味する、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)主催による招待者限定カンファレンスのことだ。今年3回目となるこの年次カンファンスは、3月20〜21日、カリフォルニア州パームスプリングスで開催された。
MARSは、アマゾンの通常のカンファレンスとはまったく異なる。製品や企業買収の発表は一切なく、アマゾンのブランドを示すものすらどこにもなかった。砂漠の中での2日間、そして200人のゲスト。中にはノーベル賞受賞者や宇宙飛行士、デザイナー、そしてパーキンソン病の研究を支援している俳優マイケル・J・フォックスの姿もあった。ゲストは、ナイフ作りをしたり複葉機に乗ったりして、それぞれ冒険的な活動を体験した。カンファレンスの表向きのテーマは、ゲストがお互いに自分の仕事やその情熱についてプレゼンテーションすること。だが、本当の意義はアマゾンの未来をのぞき見ることにあった。
カンファレンスで見えてきたのは、ベゾスCEOがアマゾンのために用意している計画がいかにスケールの大きなものか、ということだ。
招待されたゲストが代表を …