KADOKAWA Technology Review
×
ICOは終わらない
「再発明」で合法化狙う
起業家たち
arsheffield | Flickr
カバーストーリー Insider Online限定
The next generation of ICOs will actually have to follow the rules

ICOは終わらない
「再発明」で合法化狙う
起業家たち

3月に出された米証券取引委員会(SEC)の警告により、資金調達の手段として一大ブームを巻き起こした従来の新規暗号通貨公開(ICO)は終焉を迎えた。しかし、規制の新しい枠組みに合わせた次世代のICOを虎視眈々と狙うスタートアップ企業は後を絶たない。 by Mike Orcutt2018.03.29

開拓の時代はもはや終わった。 米証券取引委員会は3月に入って、投資家や暗号通貨取引所に対して、新規暗号通貨公開(ICO)に関する声明の中で明確な警告を出した。次に何が来るのか、それは規制当局が異なる種類の暗号通貨をどう分類するかによって変わってくる。だがいくつかのスタートアップ企業は、じっと待っていたりはしない。代わりに、既存のクラウドファンディングの規則を有効活用しようとしている。ICOを再発明して、金融規制に従うものにするためだ。

起業家らは2017年の初め以降、デジタルの「トークン」を新規に発行して投資家に販売するICOを通して、約100億ドルの資金を調達してきた。こうした起業家たちの多くは、自分たちが売り回っているのは証券や、あるいは株式や債券といった従来の投資とは異なり、アーケードゲームのトークン(専用メダル)のようなものだという。ブロックチェーンベースの商品やサービスを利用するためのトークンだというわけだ。しかしながら、こうしたトークンの購入者は通常、自分のトークンの価値が上がり、オンラインの取引プラットホームでトークンを売って儲けることに賭けているだけだ(「VALU騒動でも注目された「ICO」とは何か?」を参照)。

問題は、米証券取引委員会(SEC)に登録しているICOは、今のところ1つもないということだ。すべてではないにせよ、ICOのほとんどが「証券としての性質は極めて高い」と、SECのジェイ・クレイトン委員長は2月に開かれた上院の銀 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  3. The race to find new materials with AI needs more data. Meta is giving massive amounts away for free. メタ、材料科学向けの最大規模のデータセットとAIモデルを無償公開
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る