ICOは終わらない
「再発明」で合法化狙う
起業家たち
3月に出された米証券取引委員会(SEC)の警告により、資金調達の手段として一大ブームを巻き起こした従来の新規暗号通貨公開(ICO)は終焉を迎えた。しかし、規制の新しい枠組みに合わせた次世代のICOを虎視眈々と狙うスタートアップ企業は後を絶たない。 by Mike Orcutt2018.03.29
開拓の時代はもはや終わった。 米証券取引委員会は3月に入って、投資家や暗号通貨取引所に対して、新規暗号通貨公開(ICO)に関する声明の中で明確な警告を出した。次に何が来るのか、それは規制当局が異なる種類の暗号通貨をどう分類するかによって変わってくる。だがいくつかのスタートアップ企業は、じっと待っていたりはしない。代わりに、既存のクラウドファンディングの規則を有効活用しようとしている。ICOを再発明して、金融規制に従うものにするためだ。
起業家らは2017年の初め以降、デジタルの「トークン」を新規に発行して投資家に販売するICOを通して、約100億ドルの資金を調達してきた。こうした起業家たちの多くは、自分たちが売り回っているのは証券や、あるいは株式や債券といった従来の投資とは異なり、アーケードゲームのトークン(専用メダル)のようなものだという。ブロックチェーンベースの商品やサービスを利用するためのトークンだというわけだ。しかしながら、こうしたトークンの購入者は通常、自分のトークンの価値が上がり、オンラインの取引プラットホームでトークンを売って儲けることに賭けているだけだ(「VALU騒動でも注目された「ICO」とは何か?」を参照)。
問題は、米証券取引委員会(SEC)に登録しているICOは、今のところ1つもないということだ。すべてではないにせよ、ICOのほとんどが「証券としての性質は極めて高い」と、SECのジェイ・クレイトン委員長は2月に開かれた上院の銀 …
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