2017年末に向けて米国議会は、インターネット・リサーチ・エージェンシー(Internet Research Agency)が関与するオンライン・アカウントの一覧を公表した。インターネット・リサーチ・エージェンシーはロシアの「荒らし」企業で、2016年の大統領選挙で組織的な干渉を試みた。公表された一覧には荒らしアカウントが2700件以上掲載されており、これらがフェイクニュースや悪意のある噂を拡散して米国内の意見を操作しようとした。
これらのアカウントは無効化されてから随分経っているが、存在が明らかになったことでいくつかの重要な疑問が浮かび上がる。どのような情報を投稿したのか? だれが投稿の影響を受けたのか? 誤った情報はどのようにしてあれほど広がったのか?
その答えは現在、ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学の大学院生アダム・バダウィとその同僚らによって明らかになっている。バダウィらは荒らしによって作られたメッセージを研究し、サイバースペース内での軌跡を辿った。さらに、拡散されたメッセージに見られる政治的傾向と、メッセージを拡散したアカウントについても分析した。
バダウィらによると、ロシアが投稿した誤情報のリツイートはほとんどが、テネシー州とテキサス州の2州から発信されていたという。さらに、保守派の方がリベラル派よりも誤情報をリツイートする傾向が非常に強いと結論づけた。
バダウィらのチームの手法は比較的単純だ。2016年の選挙前月に、約570万人のユーザーが投稿した4300万件以上の選挙関連のツイートをダウンロードして、ツイッター界の温度感を調べたのだ。
彼らは「 …