地球温暖化で話題になる「気候モデル」はどこまで進歩したのか
地球温暖化について語られる際にしばしば言及される「気候モデル」は、テクノロジー、手法、データ共有の進展によって、以前とは比べ物にならないくらい強力になった。20世紀末には100年に一度起こっていた事象が、21世紀末までに5.5年に一度になるであろうことなどが発見されている。 by James Temple2018.03.02
ほんの数年前まで、異常気象による出来事はどれ一つ気候変動のせいではないというのが世の中一般の通念だった。しかし今や科学者たちは、人類の営みが特定の干ばつやハリケーンを引き起こしたり、激化させたりする確率に言及することが多くなっている。
そうした変化の一つの大きな理由は、気候のモデル化という科学が次第に強力になってきたことだ。テクノロジー、手法、データ共有の進展によって研究者たちは、斬新な実験をより多い回数にわたって実行できるようになった(「核兵器研究がもたらした気候モデルのブレークスルー」を参照)。
気候モデルとは高度なコンピューター・シミュレーションにより、地球が二酸化炭素の急増のような様々な影響にいかに反応するかを概算するものだ。海洋、地表面、大気を3次元のボックスに分割して、時間経過に伴う空間内の各点における状態変化を追跡する。
コンピューティング能力の根本的な増大によって、多くの改良が推し進められている。前述したボックスの解像度は、1990年にはおよそ500平方キロメートルであった。今日の最高の解像度を持つモデルである米国エネルギー省の「E3SM(Energy Exascale Earth System Model)」や日本の気象研究所の「大気・海洋結合地域気候モデル(MRI-CRCM)」、中国の「FGOALS(Flexible Global Ocean-Atmosphere-Land System model)」は25平方キロ …
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