「暗号通貨と遺伝子データとの交換」——。まるで嘘のように聞こえるかもしれない。だが、これはある著名な遺伝学者が創業した新しい企業の基本方針だ。ネビュラ・ゲノミクス(Nebula Genomics)は、顧客のゲノム配列を解析して健康情報などの洞察を提供するとともに、遺伝子データをブロックチェーンを使って安全に管理し、幅広く活用できるようにするという。
ネビュラ・ゲノミクスは、ハーバード大学の遺伝学者ジョージ・チャーチ教授と、ベリタス・ジェネティクス(Veritas Genetics)の創業者ミルザ・シフリック最高経営責任者(CEO)の構想によって設立された。ベリタスはゲノム・シーケンシング・サービスを999ドルで提供している企業だ。
たとえば、23アンドミー(23andMe)やヘリックス(Helix)、アンセストリー・ドットコム(Ancestry.com)などを通じてDNA検査を受けた場合、遺伝子データは検査を実施した企業が所有する。一方、ネビュラ・ゲノミクスは、全ゲノム解析を実施した後のデータをDNA提供者自身に所有させ、それを他の企業などに共有することでデジタルマネーが得られ …