膨大なゲノムデータを効率的に調べるための新たな手段として、生物学者はレーザーを試している。
ムーアの法則が崩れ、従来型プロセッサーの処理能力が限界に達するのに伴い、コンピューティングをめぐるニッチな課題において、型破りな手法がスピード面で優位だと見なされ始めている。その手法は複雑すぎるとして、これまでほとんどまともに取り上げられることがなかった。英国のスタートアップ企業、オプタルシス(Optalysys)は、これまで何年にもわたって期待を裏切り続けてきた光コンピューティングの技術が、ゲノムのような大規模データセット中の類似点を特定するのに役立つと考えている(「実現に向けて開発進むPCI Expressの光コンピューター」を参照)。
通常のチップとは異なり、オプタルシスが開発したプロセッサーは、レーザー光線を使ってフーリエ変換という数学関数を実行する。 データをレーザー光線に符号化して互いに干渉させることで、普通のコンピューターなら何段階もかかるような演算を一気に実行するのだ。演算結果は従来型のチップに戻される …