米軍基地の位置漏えい騒動が残した、たった1つの教訓
コネクティビティ

Strava’s privacy PR nightmare shows why you can’t trust social fitness apps to protect your data 米軍基地の位置漏えい騒動が残した、たった1つの教訓

個人のフィットネス活動を記録・共有するソーシャル・アプリ「ストラバ(Strava)」で公開されている情報から、米軍基地に関する情報が漏えいする事故が起こった。こうしたアプリは、初期設定では個人の情報を過度に公開してしまうおそれがあるので、どの情報を公開するかユーザーはよく考える必要がある。 by Rachel Metz2018.02.01

何年もの間、私は人気のフィットネス活動(アクティビティ)追跡アプリ「ストラバ(Strava)」 を使ってサイクリングの記録をつけてきた。記録のほとんどは、私のサンフランシスコのアパートから始まって終わっている。ある時点で、自分の居場所のこんなに正確な情報をシェアするのはあまりよくないんじゃないかと思い立ち、オンライン上の自分の家から直径数ブロックの範囲に境界線を設定して、移動の始点と終点を少し曖昧にした。境界線を設定しておけば、一旦そのゾーンに入った後の動きがアプリで公開されなくなるのだ。

しかし他の何万人ものストラバのユーザーは、明らかにそこまで用心深くないようだ。昨年末ストラバは、世界中のユーザーが記録を公開している莫大な数のアクティビティに基づいて作成した検索可能なヒート・マップを公開した。ある研究者はこのデータを使えば、アフガニスタンやシリアなどの国にある米軍基地などの機密扱いの場所や、そこにいる人員の日常の運動ルートまで明らかになってしまうことを指摘した。米軍基地周辺でストラバを使っている人の多くは兵士や軍関係者である。地図上の暗い部分の中に小さな明るい領域がいくつか見えるのは、そこで彼らがうろつき、動き回っていることを表している。この件についてストラバにコメントを求めたが、返答はなかった。

セキュリティ上のリスクであるこの問題に対処するために、米軍は敷地内でのガジェット使用に関する規則を改訂しているようだ。テック企業は、自分の生活の様子を追跡させたり他者にシェアしたりさせようとユーザーに仕向けている。軍関係者でない人々も、こうした企業は本当に、こまごましたことを私たちに公開させたがっていることを改めて肝に銘じるべきだろう。ストラバやフェイスブック、ツイッターなど多くのサービスが、シェアすることをビジネス・モデルの土台にしてきた。近い将来、ユーザーは、何は秘密にすべきで、何はシェアしても安全なのか、自分で判断する必要に迫られるはずだ。だが判断が難しい場合も多く、ましてやそれを実行に移すとなればなおさらである。

ストラバは、ユーザーにサイクリングやランニング、水泳などのアクティビティをシェアさせることで成立している。つまるところ、ユーザーがたくさんのアクティビティをシェアすればするほど(現在1 …

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