先日の夜、カジノホテル「MGMグランド・ラスベガス」で待つ私の前に、ドライバーの乗っていない車がゆっくりと近づいてきて停車した。しかし、厳密に言うと無人乗用車ではない。ドライバーは約870キロ離れたカリフォルニア州マウンテン・ビューにいる。
この車は、ファントム・オート( Phantom Auto)というスタートアップ企業が所有するものだ。自律走行車が走行中に自身の手におえない状況が発生したときに、遠隔地にいるドライバーが一時的に車の運転を引き継ぐというテクノロジーを開発している。
大手のテック企業や自動車メーカーが自動運転車を完成させるために多額の投資をしている。自動運転車ができれば、交通量の削減や交通事故の減少が期待されるし、関係する企業はもちろん大きな利益が得られる。公道での試走が始まっているが、周囲に何があるかを認識したり、他の車や人を避けて走行したりするなど、まだ多くの点で大幅な改善が必要だ。
ファントム・オートは、「エッジケース」(過酷な天候状 …