すべての暗号通貨が同じように作られているわけではない。しかし、XRPに投資している人にそれを言ってはいけない。2017年12月、ブロックチェーンを使用して未来の支払いシステムを構築すると自称している会社、リップル(Ripple)の所有する暗号通貨XRPが価格にして700%ととんでもなく高騰した。XRPの総額は1500億ドル近くにまで達し、リップルの共同創業者で元CEO(最高経営責任者)であるクリス・ラーセンは束の間、世界的な大富豪の一人になった。
騒ぎは大きくなり、少なくとも一部では、XRPを買い占めれば「次のビットコイン」に参加できると信じた人たちもいた。しかし今回の騒動は、こうした人にとって、とても高くつく勉強に終わる可能性が高い。つまり、彼らが投資したのはビットコインとはまったく別物なのだ。
第一に、ビットコインは取引を認証し、通貨の安全を維持するのに「マイナー(採掘者)」のネットワークを使っている。ビットコインはマイニング(採掘)に対する報酬として支払われ、ネットワークを継続して運用させることへの動機づけとして働いている(「ビットコインとは何だったのか?」を参照)。一方、リップルに採掘者はいない。XRPの現存する1000億個のトークンは全て、2012年にネットワークができたときに作られたものだ。創業者はトークン200億個を保有し、残りをリップルに贈与した。それ以来、同社は「系統立てて」トークンを顧客に配布してき …