1つはっきりさせておこう。コンピューター科学に存在する何十年ものジェンダー差別と、それに関係するあらゆる問題が1年やそこらで解決されることはない。多様性に関する最近の報告で、女性はグーグルやフェイスブックのエンジニア全体のたった20%しか占めておらず、この比率はウーバー(Uber)ではさらに低いことが明らかになった。しかも女性エンジニアの扱いについては2017年に、恐ろしいニュースが次々と現れた。シリコンバレーでのセクシャル・ハラスメントや、グーグルのエンジニアが女性は生物学的にプログラミングに向いてないと主張するメモを同僚に送ったことなどは、ほんの一例だ。実は2018年、特に人工知能(AI)関連のことにおいては、状況がよくなりつつあると信じる根拠がある。
一見すると、AIは女性にとってとりわけ馴染みやすいプログラミング分野というわけではなさそうに思える。AI研究者であり「女性のための機械学習会議(Women in Machine Learning Conference)」の共同創設者であるハンナ・ウォラック博士は、ファスト・カンパニー誌に寄せた記事の中で、機械学習分野の研究者のうち女性はたった13.5%にすぎないと述べた。「#MeToo運動」の最中にあって、AI研究者たちもまた、セクシャル・ハラスメントの申し立てや、AI業界最大のカンファレンスである「NIPS(神経情報処理システム)」にからんで開かれたパーティで不適切なジョークが交わされてたという苦情に対処した。
しかし最近、AI関連の政策と支援に関する3つの新たな有力団体が、業界トップレベル …