ムーアの法則後見据えるインテル、新チップはどこが画期的か?
インテルは脳の神経回路の構造を模倣したニューロモーフィック・チップをCESの会場でアピールした。あわせて、49量子ビット(キュービット)の量子コンピューティング・チップも発表。いずれも性能が頭打ちになりつつある従来型プロセッサーのブレークスルーを狙うものだ。 by Will Knight2018.01.18
インテルは今年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、Webカメラが捉えた画像の中の物体認識を学習するチップを誇らしげに展示した。一見すると、何の変哲もない展示だ。しかしこのチップは、従来のプロセッサーの1000分の1の電力しか使わないのだ。
インテルがCESで性能を披露している「ロイヒ(Loihi)」と呼ばれるこのデバイスは、ニューロモーフィック・チップ(neuromorphic chip)である。ニューロモーフィック・チップとは、脳内の神経細胞やシナプスの機能を単純化された方法で模倣したコンピューター・チップだ。
最良の人工知能(AI)アルゴリズムではすでに、シミュレートされたニューラル・ネットワークと呼ばれる、脳の構造に似たプログラムを利用している。ニューラル・ネットワークは並列処理を使って、画像内の物体や音声中の言葉といったデータ内のパターンを認識する。ニューロモーフィック・チップは、ニューラル・ネットワークの動作をシリコン上に実装することで、アイデアをさらに発展させたものだ。同チップは最高クラスの汎用チップよりも用途が限られており、強力でもない。しかし …
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